譲渡サイトで見つけた犬にひとめぼれ

つぼみちゃん(10歳・メス)は子犬の時、センターに収容されていたが、2010年冬、保護団体「ちばわん」が引き出した。兄妹3匹で不安そうに身を寄せ合っていたそうだ。その後、それぞれ里親を探すため、別々のボランティアが預かった。

栃木県に住む上田さんは、実家で両親と妹と一緒に暮らしていた。

「もともと犬が大好きで、ずっと飼いたかったのですが、なかなか両親の許可が出ませんでした。私が獣医学生になったのをきっかけに、やっと犬を飼ってもいいと言ってくれたのです。ペットショップやブリーダーが売っている犬ではなく、里親を探している保護犬の中から選ぼうと思い、譲渡サイトで犬を探しました。そこで見つけたのがつぼみでした」

控えめで穏やかな性格の犬

上田さんは垂れ耳で垂れ尻尾の犬が好きだったが、つぼみちゃんを見てひとめぼれした。、優しい目元にキュンとしたという。

しばらくボランティアのブログでつぼみちゃんの様子を見ていると、同居する数匹の犬の中でも控えめな性格で、どちらかというと飼い主をひとりじめしたいような子だと書いてあった。まったく他犬と遊ばないわけではないが、1匹で隅っこにいたり、おばあちゃん犬に甘えたりしていたそうだ。先住犬のいない家庭を希望と書いてあったので、上田さんは条件に合うと思い応募した。

2011年夏、上田さんはつぼみちゃんに会いに行った。穏やかな感じの犬だった。「ちばわん」の人と話している間も、静かに上田さんに寄り添っていて、なんとなく「これから家族になる人だ」と分かっているようだった。

家族も同意したので犬を飼いたいという念願がかない、上田さんはつぼみちゃんと暮らすことになった。

後日、団体の人が家まで届けてくれた。つぼみちゃんは初めて会った時と変わらず物静かだったが、自分の居場所をちゃんと分かっているようだった。

つぼみちゃんという名前は、預かりボランティアの人がつけてくれた名前だった。コブクロの「つぼみ」という曲にちなんでいる。とても似合っていたのでそのまま引き継いだ。

つぼみちゃんは、人も犬も好きだが、ベタベタしないタイプ。同じ空間にいれば安心する子だという。

老犬つぼみちゃん、子猫を迎えたら元気に

2020年、10歳になったつぼみちゃんは、お散歩は大好きで毎日行くが、寝ていることが多くなった。また、上田さんは家族や知人友人と長期間会えず、また自分の心臓の持病が発覚したりして精神的に不安定になっていた。

そんな中、上田さんは2匹の子猫を家族に迎えたのだが、にぎやかになって喜んだのは上田さんだけではない。つぼみちゃんは猫たちとボールで遊んだり、遊ぼうよと誘ったりするようになり、活気を取り戻していったという。

上田さんは勤務先の動物病院にもつぼみちゃんを連れて行くが、つぼみちゃんは家族ではない人にも尻尾を振って笑うようになった。

「人間を信頼している証だと思うんです。病院にいる犬とも元気に遊んでいます。まだまだ元気でいてほしいなと思います。私自身は、つぼみたちを看取るまで元気に働こうと思っています。この子たちのために生きていると思うと生きる活力が生まれます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)