コンビニの駐車場にいた子猫

チビちゃん(16歳・オス)は、2005年9月の夜、コンビニの駐車場で鳴いていた。たまたま通りかかった群馬県に住むWさんは、すっかり暗くなっていたので、「車にひかれては大変」と焦ったという。車の影に子猫のシルエットを見つけたので、鷲掴みで確保した。Wさんは専門学校に勤める動物看護師だったので、車に轢かれていないか、人に踏まれていないか、全身チェックした。

コンビニ店員に捕まえた子猫を見せ、何時からいるのか確認すると朝からずっといたという。「私が持って帰るので、小さな袋をください」とお願いし、コンビニの袋に入れて自転車のハンドルに下げ、自宅に帰った。袋に入れたのは、全身ノミだらけだったからだ。車の免許がないと生活できない群馬県で、当時、Wさんは免許を持っていなかった。すぐに動物病院に行くことができず、専門学校の同僚獣医師に訳を話し、ノミ取りの薬と瓜実条虫駆除薬を分けてもらった。

大きくなるように「チビ」と名付ける

子猫はガリガリにやせていて、浮き出た背骨に沿って生えている被毛がたてがみのようになっていた。骨盤の形がはっきり見て取れる腰にはつむじが2つあった。体の大きさから生後1カ月半くらいかと思ったが、歯を見ると2カ月半くらいだった。

栄養失調で成長が遅れていたので、「チビと名付けると大きくなる説」に期待して「チビ」と名付けたが、期待通り6キロ越えの大きな猫になったという。最初はとても大人しく、食べては寝るを繰り返していたが、体調が落ち着くとヤンチャっぷりを発揮した。

「以前飼っていた猫を亡くして落ち込んでいた次男と特に仲が良く、次男が成人しても次男の寝かしつけ係をしていました。次男は、具合悪い時はチビのお腹に顔を埋め癒してもらっていました」

猫は大切な家族

チビちゃんは、若い時から小さい子や子猫が大好きで、家の前で子供が遊ぶ声がすると出せと催促。リードを付けて外に出すと一緒に遊んでいた。保護が必要な子猫が来ると、体を舐めたりお世話をしたりしてくれる。器が大きいので、来るものは拒まない。

若い頃に、「お座り」「お手」「ハイタッチ」などを教えたので、今でも芸達者だ。Wさんの息子たちは物心ついた時から、生活の中に猫がいて、猫がいるのが当たり前になっていた。

「今住む町に越して来てしばらく猫を飼っていなかったので、チビとの出会いに息子たちも大喜びでした。猫は大切な家族の一員です」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)