時には相談相手、またあるときには子育てをサポートしてくれる心強い存在の「ママ友」。核家族が当たり前となったいま、ママ友をはじめとする周囲のサポートはとてもありがたいものです。しかし、距離感を一歩間違えると、良好な関係を築くことが難しくなってしまうケースも…。Aさん(20代・九州在住)も、ママ友同士のモラルについて考える出来事に最近遭遇した一人です。

気を遣わないグループ交際がスタート

保育園へ入園の日。周りの親子は楽しそうにしている中、人見知りのAさんは不安で仕方がありませんでした。周囲を見渡しても知り合いが誰一人いない上に、同世代のママもいなかったため「私、保育園に馴染めるのかな…」と、寂しくなってしまったそうです。そんなとき、隣に座っていた少し年上のママ・Bさんが話しかけてくれました。

その後、保育園のお迎えでも会うことが多く、話す機会が増えたことをきっかけにAさんとBさんとはプライベートでも遊ぶ仲に発展。Bさんをきっかけに他のママ友ともすっかり仲良くなり、気を遣わないグループ交際がスタートしました。

突然の提案に驚くも断れず…

親同士だけではなく、子ども同士も仲が良かったAさんたちママ友グループは、卒園後も頻繁にグループで遊ぶようになり、お互いに気を遣わない関係を築いていました。

Aさんが日曜日に急用で仕事に呼ばれたときも、Bさんや他のママ友が率先して子どもを預かって面倒を見てくれるなど、みんなで子育てを協力しあえる関係でいられることに居心地のよさを感じていたのですが、ある日Bさんからの提案にAさんは驚きました。

突然「私、出張に行かなきゃいけなくなって。旅行も兼ねて3泊くらいで行こうと思うの。パパは1人で子どもの面倒を見れないから、みんなの家に交代で子ども泊まらせてくれないかな?子どももお友達と一緒のほうが楽しいって言ってるし」と言い出したのです。Aさん以外のママ友も驚きのあまり言葉が出なかったそうです。

Bさんとしては「夏休みに入り、子どもを学校に送り出すことがないため、そこまで負担はかけないだろう」と思っていたのかもしれません。

しかし、普段どおり仕事があるのはBさんだけでなく、Aさんたちも同じで、日々の慌ただしさは変わりません。「人の子を預かる余裕なんてない」というが正直な気持ちでした。

「気まずい空気をどうにかしたい」と思ったのか、ママ友のCさんが「うちでよければ預かろうか?」と言い出しました。Bさんをきっかけにみんなと仲良くなったAさんも悩んだ末、Bさんの提案を承諾したそうです。

そして、Bさんの子どもはAさんの家に2泊、Cさんの家に1泊することとなりました。

ママ友のモラルって何?

これをきっかけに、Aさんはママ友のモラルについて考えるようになったと言います。「確かに、自分が困っているときにいつも助けてくれていたのはBさんです。彼女がいなかったら、私は保育園の行事でも孤独な時間を過ごしていたでしょう。しかし、夫がいながら『夫は1人では子どもの面倒を見れないから』と私たちに預けることには疑問に感じます」と語ってくれました。

私はこの話を聞き、お互いに遠慮はいらない関係でも、何かをお願いするときは相手への負担を考慮することが求められるのではないかと感じています。

ママ友と良好な関係を築くことの難しさ

「ママ友は面倒だからいらない」とネガティブな印象を持っている方もいるでしょう。

ママ友は、良好な関係を築くことさえできれば、自分が子育てで悩んだとき、周りに頼れる方がいない場合は、とてもありがたい存在です。

Aさんも「私は1人で思い悩む癖があるのですが、夫に相談できないことをBさんが聞いてくれて、何度も救われました。Bさんが私たち親子を誘い出してくれるおかげで、子ども同士も親しくなり、自分にとっても子どもにとってもプラスに作用することが多々あります」と語ってくれました。

ただ、人に甘えられる範囲や、子育てに関する価値観の差を感じることは多いと言います。

「ママ友との関係性は大切にしたい」という思いがAさんは強く、Bさんからの提案を断れなかったようですが、「もし、ここで断っていたらどうなっていたのか」と考えると、ママ友と良好な関係を築くことの難しさを感じたそうです。

ママ友の関係は子どもの関係性にも影響がまったくないとはいえません。そのことを考えると、Aさんのように「自分が我慢すれば」と考える方もいるでしょう。

しかし、我慢することが続くと負担になってしまい、しまいにはストレスの原因にもなってしまいます。ママ友と良好な関係を築くためには、適度な距離感を保つこと、そして、親しいからこそ気を遣いすぎないよう心がけることが大切だと感じました。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)