数日前の関西のとある駅のホーム。電車到着を待つ高齢女性2人連れの会話が聞こえてきました。何やらぼやいているようです。

 「昨日からテレビのニュースで『老人の日、老人の日』って言うねん」

 「アナウンサーの子が間違えたんちゃう」

 「最近の子は敬老の日を老人の日って言うんかな」

 「敬老の日なくなったんちゃう」

 ここで吹き出しそうになった筆者は「老人の日も、敬老の日も、両方ありますよ」…と会話に加わりたかったのですが、今はコロナ禍。車内の会話は控えめにと駅のアナウンスがかかるぐらいなので、見ず知らずに人の声を掛けるのはあきらめました。

 2021年の老人の日は9月15日、敬老の日は9月20日。老人の日と敬老の日の違いをあらためて調べてみました。

「敬老の日」発祥の地は兵庫県

 「敬老の日」は兵庫県多可郡多可町八千代区(旧野間谷村)が発祥といわれています。1947(昭和22)年、村で行われた敬老行事がきっかけとなり、翌年から村独自で9月15日を「としよりの日」と定めました。

 1963(昭和38)年、老人福祉法が公布され9月15日は老人の日と定められます。

 「おじいちゃんおばあちゃんを大切にしよう」という気持ちは全国に広まり、1966(昭和41)年、国民の祝日として「敬老の日」(9月15日)が制定されます。同時に、老人の日の名称は敬老の日に変わりました。

 2001(平成13)年に老人福祉法が改正。9月15日は老人の日、老人の日から1週間は「老人週間」とし、内閣府などによる全国的なキャンペーンが開催されるようになりました。

 その後、祝日を移動し3連休を増やすハッピーマンデー制度の導入され、2003(平成15)年から敬老の日は9月の第3月曜日に移動し、現在に至ります。

それぞれの意味は?

 では敬老の日と老人の日の違いは?

 敬老の日は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」祝日(「国民の祝日に関する法律」第2条)。

 老人の日は「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」(「老人福祉法」第5条)とあります。

 敬老の日は、老人を敬愛し、長寿を祝う日。老人の日は、健康で長寿な社会を築くための啓発キャンペーンといえそうです。

100歳以上は全国に86510人

 厚生労働省は14日、全国の100歳以上の高齢者数が過去最多の86510人になったと発表しました。

 「老人の日」ができた昭和38年、全国の100歳以上の高齢者はわずか153人でした。その後、昭和56年に1000人、平成10年に10000人、平成24年には50000人を超えるなど、毎年記録を更新。今年度も昨年から6060人増え、51年連続の増加となりました。

 20日は敬老の日。冒頭の高齢女性2人が敬老の日のニュースを見聞きし「敬老の日まだあったわ」と気付いてくれますように。どうぞ末長くお元気で!

(まいどなニュース・金井 かおる)