子育て世帯の中、ひとり親世帯は約142万世帯(2016年/厚生労働省より抜粋)です。日々の生活を維持することで精一杯、なかなか子どもに時間をかけられないと嘆くひとり親もいます。しかし、頑張っている親の姿を子どもはしっかりと見ています。私の友人ゆきさん(30代・会社員)が体験した話を聞きました。

コロナ禍…ひとり親として生活をすることの大変さ

ゆきさんはひとり親として2人の子どもたちと生活して12年になります。離婚当初、2人の子どもたちは3歳と1歳で手がかかる時期だったそうです。しかし、ゆきさんは「ひとり親だからという理由で子どもたちに不自由や苦労をかけたくない。自分でひとり親になると決めたからにはすべて自分がやる」と、日々家事や育児に奮闘してきました。

昨年より世界規模で流行している新型コロナウイルス感染症ですが、今年の夏も新型コロナウイルスの流行は収束しないまま夏休みに突入することとなりました。ゆきさんの子どもたちも友達と遊びに行くこともできず、自宅で過ごす毎日だったそうです。ゆきさん自身はリモートではできない職種という理由もあり、2人の子どもたちを自宅に置いて出勤せざるを得ない状態だったといいます。

「毎日どこにも行けず、買い物すら連れて行かないようにしてるから、子どもたちも辛そうなの。でも感染してしまったら、私みたいなひとり親は自宅待機以外に道がないのよね」とゆきさんは話していました。

あれ?家事がしてある!…母の背を見ていた長男

夏休みも中盤にさしかかった頃、ゆきさんが仕事が終わり帰宅すると、いつもと違う光景がそこにあったといいます。朝、外に干した洗濯物は取り込んで畳んであり、室内干しには新たな洗濯物が干してありました。さらに、ご飯が炊いてあり長男が味噌汁を作っていたそうです。

一瞬驚いてしまったゆきさんでしたが、長男が何も言わなくても家事をしていてくれたことがとてもうれしくて、長男に感謝の気持ちを伝えると、その翌日も同じように家事をしてくれていました。

昨日と同じように感謝の気持ちを伝えるゆきさんに対して、長男から「たった2日間だけど、座ってるだけでご飯が出てきて、洗濯した服があるのは幸せなんだと思った」と言われたそうです。

いままでゆきさんは「自分が選んだ道だ」と、子どもたちに手伝いを強要したことはなかったそうです。しかし、自主的に行動してくれた長男を見て自分が頑張ってきたことを理解してくれたのかと涙が出そうになりました。

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現在、ゆきさんの家庭では次男も加わり3人で家事を分担するようになったそうです。家事を通して、家族のコミュニケーションがより増えたと笑顔で話していました。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)