海外旅行ガイドブックの“聖典”ともいうべき「地球の歩き方」と、泣く子も黙るミステリーマガジン「ムー」が、まさかのコラボ!世界中の超古代文明やオーパーツ、UFO、UMAなどの謎に、旅とオカルトの両面から迫る本「地球の歩き方ムー」が発行されることになった。コロナ禍で海外旅行が難しくなり、ガイドブックの売り上げも低迷する中、この「本気の異世界ぼうけんガイド」と銘打たれた本が、新たな扉を開こうとしている。

「地球の歩き方」と「ムー」は、共に1979年創刊のロングセラーブランド。「地球の歩き方」は100タイトル以上が発行されており、現地の生の情報を網羅したガイドブックとして42年間、旅行者の熱い支持を集めてきた。

しかしコロナ禍以降、旅行で海外に出掛ける人は激減。それに伴ってガイドブックの売り上げも壊滅的な打撃を受け、編集長の宮田崇さんによると「コロナ禍前のざっと9割減」に落ち込んでいるという。

今年1月には版元のダイヤモンド・ビッグ社から学研グループに事業譲渡され、学研プラスの子会社として「株式会社地球の歩き方」を設立。取材もままならず、改訂版を出せないという厳しい状況が続く一方で、現在はこれまでのノウハウを生かした「旅の図鑑」シリーズ(「世界のすごい島」「世界のすごい巨像」「世界のグルメ図鑑」など)をはじめ、「御朱印」「島旅」「aruco東京」「aruco東京で楽しむ台湾(韓国・フランス)」などの各シリーズを精力的に発行し、逆境に負けない“攻め”の姿勢で俄然注目を集めるようになった。

「ムー」とのコラボは、旅の図鑑シリーズのひとつ「世界197カ国のふしぎな聖地&パワースポット」で、「ムー」の名物編集長・三上丈晴さんにインタビューしたのがきっかけで実現。「何か一緒にやりませんか」という「地球の歩き方」からの申し出を快諾した「ムー」と、それぞれの視点から“異世界”を紹介する前代未聞の本を作ることになった。

発売は2022年1月を予定しているが、内容の詳細はこれから固めていく。担当編集者の池田祐子さんによると、「『ムー』さんが提唱する世界と、『地球の歩き方』が旅してきた世界が、同時並行的に存在するというコンセプト」で編集するという。

イメージしやすいようにエジプト・ギザの大スフィンクス像を例に挙げてみると、「地球の歩き方」は「紀元前2500年頃にピラミッドと同時期につくられた」という定説に従うが、「ムー」は建造時期や見どころなどに関して、定説とは全く異なる独自の説を謳う。「地球の歩き方ムー」では、このような両者の説を明確に分けながら掲載し、「実際に行ける」全世界の謎に満ちたスポットを取り上げる。どちらの説を採るかは「読者に委ねたい」(池田さん)という。

今は「地球の歩き方」と「ムー」とで具体的な企画を練って、すり合わせをしている段階。「これが面白くて」と池田さんは声を弾ませる。「私たちはとりあえず現時点でのメジャーな説を“正しいらしい”と認識していますが、100年後には新事実によってそれが覆され、実は『ムー』さんが正しかったということになるかもしれませんから」

9月上旬、Twitterなどでコラボを告知したところ、「これは胸熱」「ワクワクが止まらない」「どこまで歩くの?」などと大きな話題に。池田さんは「想像力によって世界の見え方を変え、旅がもっと楽しくなる本を作りますので、ご期待ください」と話している。

(まいどなニュース・黒川 裕生)