11月、感謝祭の翌日の金曜日におこなわれるセールキャンペーン「ブラックフライデー」。日本ではAmazonのもの(今年は11月26日〜12月2日開催)が特に盛況だが、中にはセールと見せかけて普段と大差ない値段で商品を売りさばこうとする出品業者もいるようだ。

今、SNS上ではそんな状況を踏まえ、商品の過去の価格履歴をチェックできるライフハックが大きな注目を集めている。

きっかけになったのは法律事務所ストレングス代表弁護士の小林航太さん(@yomimate)による

「アマゾンのブラックフライデーセールで買い物をしようとしている皆さん…Chrome拡張機能のKeepaを入れるのです…過去の価格履歴を見ることができるのでセール価格が本当にお買い得なのかひと目で分かります…」

という投稿。

過去の価格履歴が一目瞭然となればもう不良業者に泣かされることもない。小林さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「Amazonのセールで買い物しようとしたら、購入画面で値上がりしてることがありました。
サポートに問い合わせたところ、セールで安い価格を表示してるが、実際はセールの価格で売っていないものがあるそうです。」

「セールの時に買おうと思ってたのに逆に高くなてる事良くありますよね(泣
関西人じゃないのに
『どこがセールやねん』
ってツッコミたくなります(笑」

「これ切り抜けるために普段から10%offのクーポン出してるけどブラックフライデー中はそのクーポン無くしてる会社もあるようです」

「ちなみにスマホアプリ版もありますよ...
使いにくいので結局オススメはchrome版ですが...
チラッと探してる時とかには便利です...」

など数々のコメントが寄せられている。

小林さんにお話をうかがってみた。

−−このライフハックに気付かれた経緯をお聞かせください。

小林:数年前に、Chromeのオススメ拡張機能を紹介しているサイトで見かけて導入したと思います。それ以来愛用していて、セールの時に限らず、Amazonで買い物をするときはKeepaで価格を確認してから購入するようにしています。

−−セール価格が実際あまりお得でないことは多いのでしょうか?

小林:体感的には、少なくないと思います。

セール価格と一緒に、それより高い他の価格を併記することを二重価格表示といいます。Amazonでは、この二重価格表示でセール価格と併記する価格には、①参考価格と②過去価格の二種類があります。商品の価格欄をよくみると、横線で消されている価格の横には「参考価格」か「過去価格」の文字が書いてありますね。

Amazonのヘルプページには「参考価格」と「過去価格」について次のように説明されています。

◇ ◇
①参考価格:「参考価格は、製造業者、卸売業者、輸入総代理店等、小売業者以外の者(以下「製造業者等」といいます)が設定し、あらかじめカタログや商品本体への印字等により公表されている希望小売価格または製造業者等が小売業者に対して呈示している参考小売価格です。」
②過去価格:「過去価格は、当サイトの商品について、販売主体を問わず、直近90日間にわたり販売実績がある販売価格の中央値を指します。」
◇ ◇

①は、希望小売価格ともいわれるものです。たとえば、普段から参考小売価格の25%引きの価格で販売しており、セール時には30%引きの価格で販売しているとしたら、セールでもそれほどお得ではありませんね。それどころか、セール時に参考小売価格の20%引きの価格で販売していても、ぱっと見はセールで割引された価格のように見えます。

②については、極端な例だと、直近90日間のうち、50日間は1000円で、40日間は100円で販売していたら、中央値=過去価格は1000円になります。セール時に500円で販売すれば、過去価格の50%引きにはなっていますが、普段100円で買った方がお得です。

Keepaを使えば、これまでの実売価格を確認できるので、上記いずれの例についても、セール価格が本当にお得かどうかを確認できます。

なお、この二重価格表示については、不当に安い価格表示は消費者の判断を誤らせ、他の事業者との間の健全な競争を阻害することから、「不当景品類及び不当表示防止法」、いわゆる「景品表示法」による規制があります。たとえば、本来の希望小売価格より高い価格を希望小売価格であると表示して、そこから値引きしているかのような表示は許されません。また、過去その価格で販売したことがない価格を過去価格であるかのように表示することも許されません。

何が不当な価格表示として許されない二重価格表示にあたるかについては、消費者庁のガイドラインが参考になります。

−−これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください

小林:Keepaは既に広く知られていると思っていたので、予想以上の反響の大きさに驚きました。

また、反応の中で、クーポンを利用してKeepaによる価格追跡を逃れる手段も横行していることを知りました。たとえば、普段1000円で販売されている商品が、常時提供されているクーポンを適用すると20%引きの800円で購入できるとします。これを、セール時には、クーポンを提供せず、セール価格を800円とすれば、過去価格:1000円、セール価格:800円となり、実際には普段の購入価格と変わらないもかかわらず、Keepaではクーポン適用前の価格のみ追跡しているので、20%引きされているように見えてしまいます。

◇ ◇

お手軽に賢い買い物を可能にさせてくれるKeepa。Amazonを利用される方はぜひ導入を検討していただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)