岩の上にすっ、と立つ孤高のライチョウさん。が、次の瞬間、つるり、と岩石の間を滑り落ちていく動画がTwitterに投稿され反響を呼びました。ツイートには「はじめてライチョウに出会った。人に驚きもせず堂々と登山道に現れた。かと思うと脚を滑らせて消えてしまった。おっちょこちょいなやつだ。」と記されていますが…いったいこの後、どうなったのでしょうか?投稿主に聞きました。

 ライチョウは古くから山岳信仰で神の使いとされてきた鳥で、国指定の特別天然記念物です。氷河期時代に日本に渡ってきたのち、北半球の北極周辺地域に分布するライチョウの最南限の亜種として生き残っています。近年その個体数の減少が懸念される希少な野生生物であり、現在、頸城山塊(火打山、焼山周辺)、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプスの五つの高山帯に生息しています。

 そんなライチョウさんの微笑ましい姿に「ワロタ」「可愛いヤツめ笑」などと次々と声援が寄せられました。また「猿も木から落ちる 雷鳥もガレ場で滑る」と上手に韻を踏んでコメントする人もいれば「初めてライチュウに会ったんかと思った」とこれまた上手にボケる人も現れ、リプライ欄も大いに盛り上がりました。

 さらに、岩と岩の間に消えていったライチョウさんのその後の行方を知りたい、という声も届いています。そこで動画を投稿した「狩人3号」(@BushDo_JP)さんにライチョウさんと遭遇した経緯から、話題になった動画のその後までお話しいただきました…皆さん、安心してください、ライチョウさんは無事です!!

足を滑らせたライチョウは、1メートルほど下の岩に無事に着地

――動画の撮影場所はどこですか。

 妻と二人で岐阜県高山市の乗鞍で登山している時に、剣ヶ峰頂上に向かう途中の登山道で撮影しました。

――ライチョウさんとの出会いはどんなふうに?

 はじめは登山道の真ん中で黒いかたまりがモゾモゾと動いているのが見えたのですが、近づいてみるとライチョウだということに気付きました。ライチョウの生息地だとは認識していましたが、突然の出会いだったので気持ちが昂りました。

――第一印象は?

 近くで見た印象は意外と小柄で、岩場を飛び跳ねながら器用に歩く姿はたくましくもありながら、時々石につまずいてよろける瞬間もあり、どこか愛嬌のある野鳥でした。近づいても逃げる様子がなく、最短距離で、約1メートルの距離から観察できたので貴重な出会いだったと思います。

――それは近いですね。

 まさか目の前で出会えるとは思っていませんでした。野生なのに足元がおぼつかない様子が愛らしく、登山中の思いがけない出会いに心が安らぎました。その後、しばらく登山道を一緒に登るようにしながら観察していました。

――動画を撮影した時のことを教えてください。

 よほど警戒心が薄いのか、人を見ても逃げようとせず、スマホで撮影することもできました。登山道を離れて岩の上を歩きはじめた途端に、足を滑らせて落ちてしまいました。

――落ちた後はどんな様子でしたか?

 足を滑らせた後は1メートルほど下の岩に無事に着地し、何事もなかったように岩陰からひょこひょこと姿を見せてくれました。他にも登山者が数人いて、それぞれ心配そうに様子をうかがっていましたが、ライチョウの無事を確認して、皆さんほっと胸を撫で下ろしていました。

◇ ◇

 さらに、「落下した後は、無事に着地した姿をチラッと確認できましたが、すぐに私のいる位置とは反対に歩いていってしまい、岩場の陰で見えなくなりました。急な滑落にライチョウも驚いたようで小走りに去っていくように見えました」(狩人3号さん)とのことで、ライチョウさんとはそこでお別れしたようです。

 狩人3号さんは、話題になった投稿に続けて、ライチョウさんが落ちた後、無事に姿を現す瞬間をとらえた動画も続けて投稿しています。

(まいどなニュース特約・山本 明)