「こりゃ、なんでぇ(これは何?)」と思わずにいられない珍しい風景やスポットが岡山県内には少なくない。なぜか崖の上に立つ鳥居、高さ7メートルのZガンダム、駅舎自体が亀。思わず立ち寄りたくなる場所をエピソードを交えて紹介する。

天空の鳥居 崖の上に立つ絶景スポット

 抜けるような青空と穏やかな瀬戸内海を望む断崖の先。朱色の鳥居はそこに立つ。

 岡山県玉野市の天狗山の麓にある広昌山観音寺からロープ伝いに険しい岩場を登ると、「天空の鳥居」(高さ約1・8メートル)が出迎えてくれた。周囲に柵はなく、開放感とともに足がすくむような怖さが込み上げてくる。

 新型コロナウイルス禍で観光客が減少する中、「玉野に新名所を」との市民の願いから、2020年6月に同寺が建立した。絶景スポットを一目見ようと、県内外から足を運ぶ人が少なくないという。ごろごろとした岩が連なる一帯が霊場とされ、落ちそうで落ちない岩に願掛けする受験生もいるそうだ。

 「若い人にも好まれているようで、鳥居の前で愛の告白をする人もいるんです」と山本観詠住職がロマンチックな逸話を教えてくれた。困難を乗り越えてたどり着いた先に、パワースポットが待っている。

Zガンダムの模型 高さ7メートルの大迫力

 今にも動くんじゃないか―。そんな迫力に圧倒される。

 国道181号に面した岡山県津山市の道の駅「久米の里」。敷地の一角に、人気アニメ「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」(1985〜86年放映)をモデルにした巨大模型が立つ。

 作中で描かれるロボット「モビルスーツ」を手がけたデザイナーが、アニメ版とは別に仕上げたタイプだと知っている人は、相当な「ガンダム通」だ。

 高さ7メートル、幅3・5メートル、重さ2トンの鋼鉄製で、繊維強化プラスチックの外装。趣味の物作りが高じた地元住民が約7年かけて製作し、道の駅がオープンした2000年に寄贈した。

 毎年4月にある道の駅の感謝祭では、胸部のコックピット(操縦席)に乗り込む子どもたちでにぎわうといい、岡山県北をツーリングするバイカーたちの集合場所にもなるそうだ。

 「道の駅や津山の知名度アップに貢献したのは間違いない」。道の駅の浅図美鈴事務長は誇らしげだ。

 アクセスメモ 道の駅「久米の里」へは、中国自動車道院庄ICから車で約5分。模型は久米の里の営業時間(午前9時半〜午後6時)中に見学できる。毎月第1月曜(祝日の場合は翌日)が定休。問い合わせは久米の里(0868―57―7234)。

JR津山線亀甲駅舎 鉄道好きに人気

 亀だ、紛れもなく。しかも大きい。

 甲羅を模した六角形の屋根から頭部が突き出た建物は、JR津山線亀甲(かめのこう)駅(岡山県美咲町原田)の駅舎だ。丸い両目は駅に欠かせない時計がはめ込まれている。

 駅舎の誕生は1995年。当時の町長が地域おこしの拠点として発案し、駅名にちなんだユニークな姿になった。頭部に描かれたカラフルなペイントは、誕生寺支援学校(久米南町)の児童や生徒が手がけ、首元には赤いちょうネクタイもあしらっている。

 新型コロナウイルス禍の影響などで鉄道の利用者が伸び悩む中でも、鉄道好きには根強い人気がある駅舎。旅行の道すがら立ち寄る人も少なくない。

 「かわいい亀の顔や、温かみのある木造の駅舎がお気に入り」と通学で駅を利用する津山商高3年の生徒。ただ、夜は時計が点灯して目だけが光って見えるつくりには「怪獣みたいで怖いですけどね」。

 アクセスメモ 美咲町役場から北に約100メートル。JR岡山駅から津山線の快速列車で約1時間。中国自動車道院庄ICから車で約20分。問い合わせは、亀甲駅(0868―66―0648)。

(まいどなニュース/山陽新聞)