秋の動物園から続々と伝えられる「落ち葉プール」と戯れる動物の姿。さて、ホッキョクグマならどうなるでしょう?

とある動物園で、大きな体も埋まりそうなほど大量の落ち葉をもらったホッキョクグマの画像や動画がSNS上で話題になりました。子グマなら飛び跳ねて転がるかもしれませんが、こちらはやけに落ち着いた対応。落ち葉の山に頭を突っ込んではじっくりと「獲物探し」です。

なかなか見つからず困り顔を見せながらも夢中な様子ながら、「落ち葉に頭から突っ込むんだ」「前脚で掘ったら早いのでは?」「落ち葉おいしいの?」と観覧する人たちから助言が出るほど、なかなか慎重なのです。

落ち葉プールならぬ「山盛り落ち葉」をもらったのは、神戸市立王子動物園で暮らすメスのホッキョクグマ、みゆきです。32歳の誕生日を迎える11月30日を前に、誕生日プレゼントとして用意されたのが、山盛り落ち葉だったのです。

昼過ぎのおやつタイム、展示場に現れた飼育担当者たちはそれぞれに大きな大きな袋を担いだり、重そうに持ったりしています。ひっくり返して出てきたのは、赤や茶色の大量の落ち葉でした。人間も埋まりそうな高さにこんもり盛って、中には大きめのアジやゆで玉子、蒸したサツマイモ、茹でたニンジンなど、みゆきの好物が入れられました。

そこへ登場した主役。どこかの動物園の子トラのように飛び込むかも!とカメラを向けるギャラリーや飼育担当者らの心を知ってか知らずか、展示場のど真ん中の山盛り落ち葉を遠巻きに眺めつつ辺りを一周。チラチラと見ながらようやく近づくと、匂いをクンクン。しばらくしてペロペロ。そしてパクつきはじめました。

少しして中に入れられた食べ物の匂いに気づいたのか、落ち葉の山に頭を突っ込んで咥えたりを繰り返し、長時間、落ち葉と格闘。隠されたアジも無事ゲットして、熱心で無邪気な表情を見せてくれました。 

飼育担当者に裏話を聞くと、落ち葉は園路清掃を担当する人たちにお願いして何日間か集めてもらったもの。朝一番の「新鮮な落ち葉」限定で、さらにゴミなどを丁寧に取り除いて準備してもらったのだそう。

「1袋20kgくらいです。落ち葉の山にもっとはしゃいで飛び込んだりするかなあと思いましたが…。園内全体から集めた落ち葉なので、普段みゆきの展示場に飛んでくる落ち葉とは匂いが違って、戸惑ったのかもしれませんね」

これまで誕生日と言えば普段食べている食材を使い、見た目が豪華な「ケーキ」や、飼育担当者手作りの遊び道具などをプレゼントしてきました。今回は「ウッドチップ」も候補になり、試しに与えてみたのですが、「食べてしまって…。臍ヘルニアがあるお腹に良くないので、落ち葉に落ち着きました」とのことでした。

プレゼントをあげた日には、飼育担当者によるミニガイドも行われました。みゆきの性格は、マイペースなのんびり屋さん。ホッキョクグマなのに寒さに弱く、冬はプールに入らないのだそう。また、同じ年生まれで今年32歳になるホッキョクグマがもう1頭いることも紹介されました。

初めてもらった山盛りの落ち葉。飼育担当者は「今回は『お腹にやさしいプレゼントを』と考え準備しました。手でもっと掘るのかなと思っていたので意外でした。楽しそうに見えましたか? なら良かったです」と話してくれました。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)