子どもが学童で食べた謎のオヤツについてツイートしてから3年。とうとうその正体が判明したという投稿が話題になりました。

 投稿したのは、作家の柊サナカ(@hiiragisanaka)さんです。2020年9月の投稿は、「子が先週学童でおやつを食べたのですが、そのおやつが全く謎で、『辛かった』『横のところがキノコににている』と言い、気になって仕方がなく『それは乾いていた?』『粉はついていた?』『曲げると折れる?』などと20くらい質問を繰り返し、我ながらアキネイターみたいだなと。(まだ不明)」というもので、オヤツを説明するために描かれたイラストも添えられていました。

 オヤツの正体が気になって仕方ない柊さんは、先生に聞いてみたいけれど忙しいだろうし…と悩みます。これでは?と思うおやつの写真をお子さんに見せますが、どれも違うと言われてしまい、さらにお友達は好きでおかわりをしたと言われて、謎は深まるばかりでした。

 しかし約3年後の11月16日に、その謎オヤツの正体が「ごんじり」だったことが判明したとXに投稿したところ、イラストの絵がしっかり表現されていたことへの驚きや、「ごんじり」自体を知らないなどと、リプライが盛り上がりました。

「絵通りだ!初めて聞いた」
「おやつで『ごんじり』にたどり着くには、扉何枚必要なのかw」
「『ごんじり』ってなんだろう。どんな味なんだろう。という疑問が新たに発生しました」
「学童保育でこんなおやつが 選んだ先生渋すぎる」
「絵と写真がそっくりで笑っちゃいました」
「ごんじり、会社でめちゃくちゃ流行ってるから家でも買ってる。まじで断面きのこ。」
「答えを聞いても『何それ?』状態の私」
「これ、見た瞬間にごんじりだと思った 3年前にこのツイート見てたら助けになれたのに…笑」

 こんなコメントともに、5万を超える「いいね」がついています。ごんじりを製造・販売する1933年創業の「村岡食品工業」(群馬県前橋市)の担当者さんにお話を聞きました。

「ごんじり」とは?製造・発売元の村岡食品に聞いた

──「ごんじり」を知らないという人も多くいらっしゃいました。どんな商品なのですか?

 「ごんじり」は寒干大根を原料にした漬物を個包装にした製品です。生の大根から1/10程度の大きさになるまでしっかりと干し上げて旨味などが凝縮された寒干大根を使用し、カラカラに乾いた寒干大根を調味液に入れるまでに複数の工程をおこなう事でしっかりとした食感、大根の旨味を感じられる製品に仕上げています。

──最初はどのようにして生まれた商品なのですか?

 開発当時は「梅しば」がヒットした後で、様々な漬物を個包装にして販売をしていました。手本となる製品があったのは事実ですが、群馬県で昔から食べられていた訳ではございません。「ごんじり」は収穫された生大根を4つ割りにしてから干し上げます。干す時に皮は縮まず身が縮む事でイラストの様な形状になります。開発当初は原料の確保、味、漬け込み方法、賞味期限の確保など様々な困難があり1995年の発売まで数年の開発期間を要しました。

──柊さんのイラストは「ごんじり」の製造過程の特徴をよく捉えていたのですね。ということは、イラストをご覧になって、「ごんじりだ!」と?

 3年前にはイラストを見ておらず、「ごんじり」が判明した最近の投稿で拝見しましたので先入観がある状態ですが、「ごんじり」に見えました。

──「ごんじり」の前に、「梅しば」を開発されたのですね。

 カリカリ梅は農家などでは作られていた物です。梅しばの発売前から弊社もカリカリ梅を製造しており、味付けをしば漬け風にして1979年に液入りの製品として発売しました。その後数年の開発期間を経て、個包装での製品を1985年に発売し「いつでもどこでも食べられる漬物」としてヒット商品になりました。この流れで「ごんじり」も個包装の製品として開発し販売をしています。

──西日本では「ごんじり」がほとんど知られていないようですが、理由はありますか?

 「ごんじり」の販売は特段制限しておりません。全国チェーンの量販店でも販売はしております。認知度に関しては関東地方でも20%以下、一番認知度が高い北関東でも50%以下だと思っています。北関東で認知度が高いのは弊社が群馬県の企業であり地元の量販店、物産で扱って頂いた事、関越道などの高速道路のSAで販売があった事で認知を頂いたと考えています。ちなみに埼玉県内では関越道沿いや群馬県に近い深谷や熊谷等での認知度と、越谷などの東側での認知度は大きく違います。2000年代の流通は売れない物は店頭での販売が無くなる傾向が強く、認知度の無い製品は店頭から淘汰され結果として西日本での認知が特に低くなっていると考えています。

──なるほど。今回のポストで、食べてみたいと思われる人が増えそうですね。「ごんじり」には種類があるのですか?

 個包装で発売した「ごんじり」は食べ易さを追求し長さが半分のタイプを発売したり、違う味を発売してきました。現在は個包装タイプの「ごんじり」が3種類の味付けで、半分のサイズで個包装していないタイプの「ごんじり」が2種類、内容量の規格を含め7種類の商品を販売しています。

──「子どもの頃学童で食べてた!」「学童でもらってずっと口の中入れてた共通なんだなあ」という人もいましたが、北関東ではおやつとして食べられているのですか?

 どのような時に召し上がられるのかは自由なので一概に言えない事ですが、群馬県や長野県などでは御茶請けで出てきて、おやつの様な感じでポリポリ食べていたと聞いた事はあります。また、山登りの雑誌では、持ち物に携行食として入っていたりしています。スポーツの観戦でもみんなで食べられる物としてご利用頂いているのをSNS等で拝見したことがあります。

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 神奈川県育ちで現在は兵庫県に住んでいる筆者は「ごんじり」を知りませんでした。さっそくネットで購入していただいてみたところ、たくあんのようなポリポリとした食感で、甘めの旨みがクセになる味でした。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)