「チャイはとても環境の悪いペットショップにいました」

ペットショップで売られていたという、ベンガルのチャイちゃん。現在10カ月の女の子です。飼い主さんのおうちにお迎えしたのは今年5月のこと。当時、飼い主さんは友人から小動物を譲り受ける予定があり、自分たちでも飼えそうか、またお世話の仕方やどんな物を食べるのかを知るためにペットショップに足を運んだ時、チャイちゃんと出会いました。

「まず、中に入った瞬間すごい臭いが充満していました。その時点で少し心配になりました。鳥などの他の動物たちもいたため、いろんな臭いが混ざって仕方ないのかなと思いましたが…あまりその場に長時間いられなかったことを覚えています。普段見るような大きなショッピングモールのきれいなペットショップとは明らかに違う雰囲気でした。ガラス越しにケージを置かれて販売されているワンちゃん猫ちゃんもいましたが、お店の通路にも縦長のケージが出されていたんです」

通路に置かれていたのは、3階建ての縦長ケージでした。時折走っている子どもを目撃し、「犬や猫がケージの中にいたら振動もあって、とても怖いだろうな」と思ったという飼い主さん。中をのぞいてみると、1番下に子猫の姿が…トイレの横にあった汚れたクッションの上にチャイちゃんが丸くなっていたといいます。

「チャイはすぐに上に駆け寄ってきてくれて、私に向かって必死に鳴いていました。店員さんが『抱っこしますか』と声を掛けてきて、断りきれず抱っこをさせてもらったんです。その時、鼻水で鼻はカピカピ。くしゃみを何回かしていました。とっても小さくてかわいいなと思いました。動き回るしアクセサリーをカミカミするし、落ち着きのない子だなと思いつつほほ笑ましかったです」

月齢のわりに体が小さく、獣医師も驚くほど…「ペットショップの動物たちはスタッフが忙しくてあまり餌がもらえない子たちも多い」

もともと猫が好きて、いつかおうちにお迎えしようとパートナーとともに話していたという飼い主さん。ただ、ペットショップから動物を「買う」ということには抵抗があったとのこと。保健所やボランティア活動をしている人から引き取りたいと、考えていたそうですが…チャイちゃんと出会って「環境の悪い状態で過ごしているこの子を放っておけない…うちにお迎えして幸せにしてあげたい」そんな思いが強くなり、パートナーとも話し合った末、チャイちゃんをお迎えすることに決めたのです。

飼い主さんはチャイちゃんをお迎えし、すぐに動物病院に連れて行きました。この時、生後4カ月。何回か通院し薬をもらいながらレントゲンも撮り、肺などに異常はなかったものの、「猫風邪が慢性化している」と診断されたとのこと。また他のベンガルに比べ、月齢のわりに体が小さく、獣医師も驚くほどだったとか。「個体差はあると思うけど、ペットショップの動物たちはスタッフが忙しくてあまり餌がもらえない子たちも多いみたいですからね」と聞かされ、飼い主さんは「チャイが実際に餌をもらえなかったかどうかは分かりませんが、そういう事実を知り驚きとても悲しくなりました」と話します。

それからチャイちゃんは通院も頑張り、薬も飲んで今ではすっかり元気に。10月には、シャムトラのしちべいくん(雄・3カ月)も家族になりました。しちべいくんは沖縄で台風直前に保護された母猫さんから産まれた猫ちゃん。しちべいくんがやって来た当初はお互い距離をとり、チャイちゃんも威嚇していたのですが…1週間後には一緒に寄り添って寝るようになり今ふたりはとっても仲良しさんだとか。またしちべいくんはチャイちゃんが大好きになり、後ろをついて歩いているそうです。

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最後に飼い主さんからのメッセージをご紹介します。環境の悪かったというペットショップからチャイちゃんをお迎えして思うこと…。

「今回のことがあり、ペットショップはきれいなところだけでなくこういった環境のところもあるんだなと考えさせられることがとても多かったです。裏のことまではわかりませんが、いろんな話を聞くうえで表面上どんなにきれいなところでもご飯があまりもらえなかったり、人間よりも短い人生の貴重な時間を、あの小さなケージで大半を過ごす子もいるのかなと想像すると、やはり胸が苦しくなります。うちに来てくれた2匹には毎日とても元気をもらっています。本当に私たちも感謝しているし、これからもたくさん愛情を注いであげたいです。幸せだなと思っていてくれたらうれしいです」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)