「海外駐在すると本人の問題以外に、駐妻問題が発生する」ーーオーストラリア在住の会社員「ほくさい」さん(@hokusai_aus)がXに投稿した、駐在員の妻たちの苦労話が注目を集めています。

居住エリア、車の車種、子どもの英語レベルまで…

 投稿によると、一部の駐在員の妻たちは顔を合わせると、夫の職種によって相手をランク付け。商社や銀行ではなく、メーカー勤務だと知ると、上から目線で「あ、メーカーさんなんだ〜」。これ以外にも、居住エリア、集合住宅の場合は入居する階層数、車の車種、過去の海外駐在歴なども根掘り葉掘り聞き出し「相手を値踏み」。滞在年数が短いと分かると「急にタメ口になり、私生活に踏み込んでくる」ことも。子どもの英語レベルまでチェックしてくることもあるのだとか。

 ほくさいさんはこれまで、タイやアメリカ、オーストラリアなどで20年近く働く海外勤務のベテラン。海外での働き方や思考のコツなど、これまでに培った経験を自身のXで発信しています。今回は妻や知人らから帯同家族の苦労を聞き、駐在員本人へのアドバイスになればーーと投稿したといいます。

日本でのキャリアを断絶し渡航→待っていたのは…

 ほくさいさんに話を聞きました。

──駐妻問題を投稿したきっかけは。

 「女性は夫の海外駐在の辞令が出ると、自身のキャリアを諦めるか続けるかという状況に直面します。キャリアを断絶して夫と子供と海外へ赴任するという大きな決断をしたにも関わらず、さらに赴任先でマウント合戦で理不尽な思いをするというのは精神的にも大変なものだと思います。夫は夫で新しい海外での職場環境で大変なのは分かりますが、孤独な思いや理不尽な思いをしている妻の話を少しでも聞いてあげることは大切だという駐在員本人へのアドバイスでもありました」

──駐妻同士のマウントの取り合いはなぜ起こるのか。

 「夫の駐在に帯同して赴任したら、妻は主婦として家事や夫や子供の世話が中心になります。その中で、自分以外の外部要因が自分の力であったり自分の偉さと勘違いしているケースがあるのではと思います。夫の職責や企業規模、業界、住んでる国や地域、乗ってる車や住居、お手伝いさんを雇っている、諸々、妻本人ではなく周囲や外部環境を自分のものと勘違いして話すので、相手からはそれがマウントに感じるのではないかと思います。まあ、後は駐妻でなくとも子供でも単純に自慢したいという子もいて、他人より自分が優れていることを誇示することで優越感に浸るという人間の性であると思います」

──海外駐在員や帯同する家族に向け、アドバイスがあれば。

 「常に誰かと一緒にいないと落ち着かないとか、誰かと同じ行動をして満足する人は多いと思います。そういう自分に気付いていない場合もあるかもしれません。そういった人は、海外に出る際に、少し自分自身の軸を見直してみると良いと思います。特に海外に出ると、日本以上に自分の居場所がどこかが重要になりますが、それを誰かとつるむことで解消しようとすると、自分と相性の悪い人に当たったり、所属したくないコミュニティーから抜け出しにくくなったりすることもあります。孤独は悪いことではないし、自分の軸を大切に、どのような人を信頼して付き合っていくかを冷静に考えるべきだと思います」

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 ほくさいさんの投稿を読んだ駐在員の家族からは、「似たような話は実際にあります」「地域によってはひどい話を聞きます」「巻き込まれないように気をつけています」「どこにでもマウント体質の人はいる」などの意見が。また、「海外に来て数年経つが、マウントを感じたことはないなあ」「メーカー勤務で駐在したけれどいじめられた経験はなかった」「駐妻みんなが性格悪いわけではない」「マウントを取るグループもあるが、平和なグループもある」「夫の勤務先しか自慢できることがないのか…」といった感想も出ました。

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 外務省の調査によると、海外に在留する邦人の総数は、129万3565人(2023年10月1日現在の推計)。地域別に見ると、北米48万9732人(在留邦人全体の37.9%)、アジア35万5543人(27.5%)、西欧21万2301人(16.4%)。この3地域で全体の81.8%を占めます。国別では、米国41万4615人(在留邦人全体の32.1%)、中国10万1786人(7.9%)、オーストラリア9万9830人(7.7%)、カナダ7万5112人(5.8%)、タイ7万2308人(5.6%)と続きます。

(まいどなニュース・金井 かおる)