動力を持たない手づくりの飛行機に乗り込み、水上にせり出した滑走路からの飛距離やパフォーマンス、機体のクリエイティビティを競うイベント「Red Bull Flight Day」が26日、神戸ハーバーランドの高浜岸壁で開催される。「ぶっ飛んでるヤツらが、優勝。」をテーマに、全国から36機が参加予定。いずれ劣らぬ“ぶっ飛んでるヤツら”の中から、ちょっと気になる3チームを紹介する。これを読めば、イベントをさらに楽しめること間違いなしだ。

「Red Bull Flight Day」は1992年にオーストリア・ウィーンで初開催。動力を持たない手製の飛行機が大空に羽ばたく(?)ショー型コンテストイベントで、これまで世界各国で180回以上開かれてきたという。日本での開催は2015年の以来、実に9年ぶりとなる。

SDGs機体!?全部ダンボールの「ダンシップ」

「風の谷のナウシカ」に登場する小型戦闘機ガンシップをダンボールで再現した、その名も「ダンボールシップ略してダンシップ」機で挑むのは、ダンボール製造業の大万紙業(静岡県)有志だ。チーム代表で社長の塚本拡平さんは「前回も出たかったのですが、当時の社長に『本業に専念しなさい』と却下されました」と笑う。昨年5月に自身が社長に就任したことで、今度は会社のトップとしてあらためて参加を決定。社内から希望者を募り、「かっこいいしダンボールに色が似ている」ガンシップを造ることにしたという。

「ご存じの通り、ダンボールは環境に優しい素材ですので、我々の機体が最もエコだと断言できます。SDGsの時代にも合っているのではないでしょうか」と胸を張る塚本さん。「パフォーマンスを通じて、皆さんにモノづくりの楽しさを伝えたい。目標ですか? まあとりあえず神戸空港まで飛んで行こうかな(笑)」

9年前、飛行機用に借りた古民家で今も生活

前回大会で公開プロポーズを成功させ、大きな喝采を浴びた愛媛県の「ORIZURU2015」が今回、「ORIZURU2024不死鳥Ver.」となって帰ってくる。ただし、晴れて夫婦になった2人の姿はそこにはない…。機体の名前こそ同じだが、構成メンバーは一新されたのだという。

“続投”するキャプテンの西岡雄大さんは9年前、飛行機を造るスペースを確保するために古民家を借り、なんと今もそのまま住み続けているという猛者。そこはいつしか人が集まる場所になり、みんなで餅つきを楽しんだり、大家さんが貸してくれた畑でイモ掘りをしたり…。今回のメンバーは、その縁でつながった人たちなのだ。

もっと言うと、メンバーはコスプレをしてマラソン大会に出ることが大好き。とにかく“要素”が多すぎるが、今回の大会ではコスプレで書道パフォーマンスを披露するというから大変だ。西岡さんは「お客さんを巻き込んで盛り上がりたい。皆さん、手拍子をよろしくお願いします!」と意気込んでいる。

地元民、大喜び!「おっ!サン号」見参

阪神タイガースの中継でおなじみ、神戸のローカル局「サンテレビ」も、マスコットキャラクターを大々的にフィーチャーした「おっ!サン号」で登場。おっ!サン部分は直径2mの風船で、人が乗り込むゴンドラ部分と翼はダンボールで造っているという。

「地元の皆さんに喜んでいただくことを第一に考え、パフォーマンス重視でいかせていただきます」と宣言するのは、サンテレビの久保田梨可子さん。老若男女に大人気(?)のおっ!サンに加え、当日は隣の芦屋市を拠点に活動するチアダンスチーム「芦屋CHEER DANCE LABO」のメンバーが駆けつけ、キレのあるダンスで盛り上げる予定だ。

久保田さんは「動力は機体の下部からむき出しになったパイロットの足だけなので、ほとんど飛ぶことはないでしょう」と笑う。「どう安全に落下するか、今からシミュレーションを重ねています」

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Red Bull Flight Day2024は5月26日(日)午前11時半、神戸ハーバーランドの高浜岸壁で開幕。入場は無料。審査員として、元プロ野球選手の赤星憲広さん、ラッパーの呂布カルマさん、お笑い芸人/アイドルのゆりやんレトリィバァさん、レッドブル・アスリートでスキージャンプ選手の高梨沙羅さん、小林陵侑さんも参加を予定している。

【公式サイト】https://www.redbull.com/jp-ja/events/red-bull-flugtag-japan-2024