Craif株式会社(東京都文京区)は、このほど「がんに対する意識調査」の結果を発表しました。同調査によると、がん経験者の約6割が「もっと頻繁に検診を受けておけばよかった」と後悔していることが分かりました。では、がんと発覚する前にがん検診を定期的に受けていなかったのは、どのような理由があったのでしょうか。

調査は、全国のがん経験者700人を対象として、2024年4月にインターネットで実施されました。

はじめに、がんと発覚する前の「がんに対する意識」を尋ねたところ、全体の62.7%が「不安がなかった」と回答しました。

がんに対して「不安がなかった」と回答した439人にその理由を尋ねたところ、「自分とはほど遠い病気だと思っていた」(52.6%)、「健康に自信があった」(33.7%)、「まだ若いから」(15.5%)などが上位に挙がり、がんが身近な病気であるにもかかわらず、自分ごと化できていない状況であったことがうかがえました。

続いて、がんと発覚する前の「がん検診の受診頻度」を全回答者に尋ねたところ、「受診したことがない」は35.6%、さらに「数年に一度程度」(7.9%)、「数回程度」(5.9%)、「一度だけ」(2.7%)など、がん検診が定期的な習慣となっていない層も含めると、約半数が定期的にがん検診を受けていなかったことが明らかとなりました。

がん検診を定期的に受けていなかった373人にその理由を教えてもらったところ、「面倒だから」(26.3%)が最も多く、次いで「いつでも医療機関を受診できるから」(16.9%)、「経済的に負担になるから」(15.0%)といった回答が続きました。

がんを経験して「もっと頻繁に検診を受けておくべきだったと思いますか」と尋ねたところ、約6割が「そう思う」(非常にそう思う16.9%、ややそう思う40.3%)と回答しており、頻繁に検診を受けていなかったことに対して後悔している様子がうかがえました。

そのほか、「定期検診を受けていれば、手術も簡単で、体への負担も少なくて済んだのにと後悔した」「健康に自信があり、睡眠不足や暴飲暴食を平気でしていたこと」「自覚症状があってからすぐに病院に行けばよかった」といった声も寄せられています。

そこで、「どのような検診であれば、もっと積極的に受けていましたか」と複数回答可で聞いたところ、「経済的にやさしい検査」(55.0%)、「精度が高い検査」(50.7%)、「手間がかからない検査」(48.9%)といった意見が上位に並びました。

最後に、がんと発覚する前に「がんについてどのくらい知っておきたかったですか」と尋ねたところ、絶対に知っておくべき項目として「早期発見することで助かる可能性が高いこと」(46.1%)、「定期的な検査が早期発見のために重要なこと」(44.1%)、「早期発見できると治療の身体的な負担が小さいこと」(44.0%)などが上位を占め、多くの人ががんと発覚する前に早期発見の重要性を知識として身につけておきたかったと感じていることが分かりました。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は、「日本では高齢化が進み、2人に1人ががんに罹患する時代といわれています。この現実を前に、私たち一人一人が意識的にがん対策に取り組むことが必須です。がんは早期に発見すれば、多くの場合予後が向上します」と説明。

そのうえで、「人によってそれぞれですが、がんの意識が高まるタイミングでまずは気軽にがん検診を受けてみることが大切だと考えます」と述べています。

   ◇  ◇

【出典】
▽Craif調べ