霊園に訪れるとどこかから鳴き声が…、見てみると驚きの光景が―。「これには御先祖もにっこり」と投稿されたある動画が、X(旧Twitter)で注目を集めています。

投稿者の「野原の筏」(@par_yuki)さんがアップしたのは、霊園に置いてあった手桶を映した動画。何かが詰まっている桶のなかをズームすると、なかにはなんと鳥の巣が。7〜8羽ほどの鳥がキュッと身を寄せており、どうやらひしゃくが入った桶のなかにそのまま巣を作っていたようです。

野原の筏さんによると、見つけたのは神奈川県川崎市にある霊園。緑豊かなその霊園で散歩していた野原の筏さんは、手桶などが置いてある棚の近くを通りがかったときに何かの鳴き声が聞こえ、中を見てみるとシジュウカラという鳥のヒナがいたといいます。

驚いた野原の筏さんは動画を撮影し、ストレスを与えないようにすぐに元あった場所に戻し、霊園の管理人にヒナの存在を伝えました。その後は「エサを与えるため頻繁に往来する親鳥を眺めていたら夕方に」と語ります。

野原の筏さんの投稿には7.8万ものいいねがついたほか、「こんなところに巣を作る子がいるんだ!」「これはにっこりしちゃうわ」「無事に巣立ってほしいね」「パンパンに詰まってるw」と微笑ましく思う人たちからのコメントが相次ぎ、大きな話題を呼んでいます。

また、今回話題になったことに際し、野原の筏さんはこれを機に広く知ってほしいことがあるそう。それは、巣立ったばかりの幼鳥を見かけても、連れ帰らずにそっと見守ってほしいということです。

春から夏にかけては野鳥たちが巣立つ時期であり、「一見、巣から落ちて弱っているように見えても、それは必ず近くにいる親鳥と飛んだり餌を採る練習をしている場合が殆どです」(野原の筏さん)。

怪我などをしていなくても幼鳥が一羽だけで道にいるという状況から、善意から保護されるケースもあるそう。今回野原の筏さんが訪れた川崎市のホームページでは、「野鳥は、犬や猫のような人間に飼われている動物とは異なり、人間の手を借りず、自然環境の中を自力で生きています。人間がむやみに手を差し伸べることは、自然界の営みを妨げることになってしまいます。落ちているヒナを見つけたら、静かに見守っていただきますようお願いします」。

「なお、その場所が人や車の往来が多く、危険と思われる場合は、付近の茂みなど、人目に付かないような場所においていただくとよいでしょう」と注意を促しています。

(まいどなニュース・門倉 早希)