クリエイターとして「インプット」することの大切さを綴ったエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。

「クリエイターとしての『ゆるやかな死』」と題する一連の投稿で、自身の体験談を紹介したのはグラフィックデザイナーのモンブランさん(@MontBlanc04)。

モンブランさんが新卒入社したアダルト系企業で、気鋭のグラフィックデザイナーとして知られていたNさん。売れ筋のDVDジャケットを月10本以上手がけるトップランカーだったが次第にデザインの"テンプレ化"が目立つようになり、やがて会社を去ることに。

Nさんの退社直前、彼の作品に対し上司が「あー、センスなくなったなぁ」と言い放つのを目の当たりにし「センスには残高がある」と気付いたモンブランさん。数年後、自身にもテンプレ化の兆候が見えたが、意識的に気分転換や知識のインプットをすることで乗り切ることができたのだという。

センスは持って生まれたもののように思われがちだが、適切なインプットがなされないといずれ陳腐化し、枯渇してしまう…。こういった現象はクリエイターのみならず、あらゆる業界に通じそうだ。

今回の投稿についてモンブランさんにお話を聞いた。

ーーNさん同様の兆候にうまく気付けたきっかけは?

モンブラン:投稿では「有休をとりインプットした」と書いていますが、当時はアイデア、仕事面で煮詰まっていたと同時に、会社の先輩が飛んでしまい1人で多数のWebサイトを運用しなければいけなかった時期で、残業を超え、オフィスで寝泊まりすることを1カ月前後続けていて「休むタイミング」を逃していた時期でもあったんです。そこで”兆候が見える”というきっかけが生まれて休まねばという危機感に襲われ、無理矢理休暇をとった、という次第です。あくまで私の場合ですが、疲弊していない時だったら、その兆候が出なかったのでは?と思うと今でもゾッとしますね。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

モンブラン:今回の投稿は2018年2月13日に書いたnote記事のいわゆる焼き増しなのですが、5年が経った今でもこうして多くの反響をいただいていおり「皆さんも同じような気持ちや苦しみを持っているのだな」再実感しています。再投稿しているのは、こういった出来事や気付きを皆さんに知っていただくと同時に、自分自身への戒めも兼ねているので、今後もゆるやかな死が起きそうになった時のヒリつきを忘れずに生きていきたいと思います。

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モンブランさんのエピソードを呼んだSNSユーザー達からは

「とても共感します…!!何をする時間も惜しんで絵を描き続けた結果ある時何を描いて良いのか。何を描きたいのか。意欲もアイディアも浮かばなくなってしまい、ここ数ヶ月はひたすらインプットを繰り返して意欲が少しずつ復活している所です。好奇心と吸収。意欲と創作。どちらも大切にしたいです…」
「恐ろしいのは努力しても類型の入力ばかりで新たな刺激が無く、同じところをグルグル回ってることに気が付かないこと 先に精神がやられてしまう 人間を貶めるわけではないが、自分が多少複雑であっても入出力装置でしかない事を理解しないといけない局面はあると思う」

など共感の声が。読者のみなさんは適切なインプットはできているだろうか。

なお今回の話題を提供してくれたモンブランさんは現在、“デザイン系VTuber”としても活躍しており、数々のロゴやイラストを制作している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)