北朝鮮による拉致問題に関する国連シンポジウムが27日、オンラインで開催された。日本からは拉致被害者家族らが参加し、問題の早期解決を訴えた。

 横田めぐみさん(行方不明時13歳)の弟で、拉致被害者家族会代表の拓也さん(55)は、被害者の親の高齢化に触れ、「拉致問題は時間的制約のある問題。親世代が健在のうちに被害者本人と日本で再会することを強く求める」と述べた。

 そして「北朝鮮が拉致問題を解決しない限り、決して制裁の手を緩めることがないよう結束してほしい」と国際社会の連携強化を求めた。

 田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男で、家族会事務局長の飯塚耕一郎さん(47)は「北朝鮮にとっても今が最後のチャンスとも言える時期だ」と指摘。北朝鮮に対し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するよう求めた。

 拉致問題担当相を兼務する林芳正官房長官は基調発言で「拉致問題は歴史上の事件ではなく現在進行中の問題で、早急な解決が必要だ」と強調した。【木下翔太郎】