王将戦 2次予選の組み合わせ決まる 勢いと実力問われる難関
毎日新聞6/16(月)13:59

日本将棋連盟会長退任後、報道陣の取材に笑顔で応じる羽生善治九段=東京都渋谷区の将棋会館で2025年6月6日、宮武祐希撮影
ALSOK杯第75期王将戦(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社特別協力)2次予選の組み合わせが決まった。1月からの1次予選を勝ち上がった6人に、シード棋士を加えた計18人が三つの組に分かれ、リーグ入りを目指す。27日の増田康宏八段―岡部怜央五段戦で開幕する。
最も過酷なリーグを目指し
王将戦は、2段階の予選を通過した棋士と前期リーグ4位以内だった棋士、計7人による総当たりのリーグ戦で挑戦者を決めるタイトル戦。その中で2次予選は、1次予選を突破した勢いのある棋士の前に、前期リーグから陥落した3人、名人戦順位戦のA級所属棋士、タイトルホルダーが立ちはだかり、勢いと実力を兼ね備えた棋士でないと抜けられない難関だ。
2次予選を突破した先にある王将戦リーグは入るのも残留するのも難しく、タイトル戦の中で最も過酷なリーグとして知られる。リーグ人数は名人戦A級順位戦の10人より少ない7人。A級は10人中下位2位が降級となるのに対し、王将戦リーグは7人中3人が陥落する厳しさだ。五分の星でも陥落することは珍しくなく、藤井聡太名人(22)も2冠を保持していた2020年のリーグで3勝3敗で陥落の憂き目を見ている。
今期の2次予選は、18人中10人にリーグ入り経験がなく、そのうち5人が2次予選自体が初登場というフレッシュな顔ぶれ。組ごとにその顔ぶれを見ていく。
伊藤叡王が2次予選初登場――1組
1回戦は千田翔太八段−三枚堂達也七段と中村太地八段―渡辺和史七段。その勝者が準決勝でそれぞれ広瀬章人九段、伊藤匠叡王と対戦する。
千田八段はデビューから11期連続で1次予選で涙をのんできたが、今期はA級在籍によるシードで2次予選初登場となった。伊藤叡王も過去4期はいずれも1次予選敗退。今期はタイトル保持者のため1次予選が免除になり、初の2次予選登場を果たした。
伊藤叡王は叡王初防衛を成し遂げたばかり。初防衛で弾みを付け、初のリーグ入りにこぎつけるのか。
名人経験者が大集合――2組
1回戦は佐藤天彦九段―大橋貴洸七段と谷川浩司十七世名人―石川優太五段。それぞれの勝者が準決勝で羽生善治九段、豊島将之九段と対戦する。
2次予選に参戦する名人経験者5人のうち4人(谷川十七世名人、羽生九段、佐藤九段、豊島九段)が一つの組に固まった。前期、6期連続在籍したリーグを陥落した羽生九段は、日本将棋連盟会長を6月6日で退任した。多忙な会長職から解放された羽生九段がどのような活躍を見せるか。
大橋七段と石川五段は1次予選を初めて通過した。2次予選で、勝っても勝っても名人経験者と戦う試練をクリアできれば、リーグでも台風の目になりそう。
6人中4人がリーグ未経験――3組
1回戦は増田八段―岡部五段と稲葉陽八段―小山怜央四段。勝者はそれぞれ佐々木勇気八段、渡辺明九段と準決勝を戦う。
佐々木八段は2期連続でリーグ入りしたものの、即陥落する悔しい結果に終わった。今期でみたびリーグ入りして「三度目の正直」の残留、更にはその先の挑戦も見据える。王将5期の渡辺九段は2期ぶりのリーグ復帰を目指す。
それ以外の4人はいずれもリーグ入り経験がない。中でも岡部五段は2024年度に勝ちまくり、全棋士中で最多対局数、最多勝、最多連勝を記録し、今年の将棋大賞で新人賞を含む4部門を受賞した。その活躍が王将戦2次予選でも見られるか。
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王将戦リーグが、これまで実績を積み重ねてきた実力者が勝ち上がってA級棋士とタイトル経験者で占める「ミニA級順位戦」になるのか。それとも、勢いのある若手の旋風が吹き荒れるのか。リーグ前から目が離せない。【丸山進】












