宇都宮市、「敬老会」負担金の使途見直し 関係団体から強い反発

毎日新聞6/20(金)10:45

宇都宮市、「敬老会」負担金の使途見直し 関係団体から強い反発

宇都宮市の敬老会見直し方針に対し意見が交わされた市議会厚生常任委員会=宇都宮市旭1の宇都宮市議会棟で2025年6月19日午前10時8分、松沢真美撮影

 敬老会に対する負担金をめぐり、宇都宮市が軌道修正を迫られている。敬老会について、これまで各地区で配布していた現金や金券などの祝い品を市が負担金の対象から外す方針を示した。しかし、「寝耳に水」と関係団体からの強い反発を受け、市は見直し案の再検討に入った。【松沢真美、有田浩子】

 敬老会は市と市社会福祉協議会、地区社会福祉協議会(地区社協)の3者で共催。市は地区の75歳以上の対象者数に応じて9万〜16万円(地区割)、1人当たり(人員割)1500円を負担金として補助している。各地区は負担金などを原資に、地域の実情に応じて、式典を開催したり、金券、物品などを記念品として配布したりしていた。特にコロナ禍以降は式典が開催できず、個人への記念品配布が多くなっていた。

 一方で、各地域からは「個人配布に対する現場の負担が大きすぎる」という声が寄せられていた。そうした声を受け、市は実動部隊である自治会の負担軽減や、式典などに集まれるような仕組みに変えるため見直しを検討。負担金の対象を会場使用料や交流事業出演者、消耗品費、印刷製本費への謝礼などに限定することとした。

 この方針について、市は昨年12月〜今年1月にかけて、全39地区社協を対象にアンケートを実施。その結果、約7割にあたる22社協が「おおむね賛成」または「市に一任する」と回答したことから、反対意見も踏まえつつ、方針決定に至った。

 しかし、今月11日に開かれた各地区社協会長会議と市自治会連合会理事会では、全地区社協が反対を表明。自治会からも問題提起があり、市の想定を超える反発が表面化した。方針を知った80代の女性は「毎年配られていた1500円の商品券のお金はどこにいってしまうのか」と憤る。

 この事態を受け、市は19日の市議会厚生常任委員会で改めて方針を説明。市議からは「各地区のイベントは新年度前から決定されていることがあり、年度途中で方針が変わったことが問題。情報の伝え方に配慮が必要だったのでは」「地元自治会でいろいろ混乱が起きている」などといった批判が相次いだ。市は「これまで寄せられた意見を踏まえ、再検討し早急に説明したい」と回答した。

 市内に住所を有する75歳以上の人は、5月現在約8万2000人。今年度の敬老会の予算額は1億2400万円を計上している。

県内の他市町村は……

 那須塩原市は昨年度、敬老事業を見直し、80歳以上に贈っていた2000円の共通商品券を廃止した。

 ただし、自治会として敬老会を開催したり、記念品を配ったりする場合、1人につき2000円を補助する事業は継続している。使途は自治会に委ねられているが、敬老会を開催するところは減っているという。商品券などを配るのは、見守り活動を兼ねているとして認めている。

 足利市は80歳以上を対象に敬老事業の「経費補助」として1人あたり800円を自治会などの実施団体に出しており、条件として、補助額以上の事業実施を求めている。

 今年度から振込方式を申請方式に変更したが、使途は敬老会開催でも、お金や記念品の配布でも問わない。対象年齢は2018年までは75歳だったが、段階的に引き上げ23年度から80歳以上とした。

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