新宿舞台の「流しの写真屋」 渡辺克巳さん写真展、地元・盛岡で
毎日新聞10/2(木)8:45

盛岡市で始まった故郷で初開催となる渡辺克巳さんの写真展=同市の「もりおか町家物語館」で2025年10月1日午前、佐藤岳幸撮影
盛岡市出身の写真家、渡辺克巳さん(1941〜2006年)の写真展が1日、同市内で始まった。東京・新宿を舞台に高度経済成長期の世相を映し出す「流しの写真屋」として知られ、高い評価を受けたが、故郷での写真展は初めて。主催者は「写真家としての基礎を固めた故郷の皆さんに作品を見てほしい」と話す。
渡辺さんは盛岡市八幡町生まれ。盛岡一高(定時制)に通いながら、毎日新聞盛岡支局で事務補助員として働き、写真と出会った。20歳の時に上京し、スタジオ撮影を学んだ後、活動の舞台を新宿に移した。飲食店や風俗店の従業員などを相手に「3枚200円」でポーズ写真を販売した。
その時に撮りためた作品を集めた「新宿・歌舞伎町」を1973年に発表し、「カメラ毎日」アルバム賞を受賞。その後も新宿で撮影を続け、98年には写真集「新宿」が日本写真協会の年度賞を受賞した。「週刊文春」や「アエラ」といった雑誌でも活躍したが、2006年1月、肺炎のため、64歳で亡くなった。
今回の写真展は、渡辺さんと高校が同窓のフリーカメラマン、藤沢貢さんらが、ゆかりの人を中心に実行委員会を作り、実現させた。
渡辺さんの妻の小泉悦子さんは「支局記者の写真の現像や焼き付け作業が楽しく、写真家の道に入った。故郷での写真展は念願だったので夢のよう」と話す。
藤沢さんは「渡辺さんの写真家としての基礎は、毎日新聞盛岡支局にある。亡くなった後も国内外で個展が開かれる著名な写真家を、故郷の多くの人に知ってほしい」と語った。
写真展では、初期の作品約50点や愛用したカメラなどを展示している。盛岡市鉈屋町の「もりおか町家物語館」で来月3日まで(28日は休館)。一般700円、中高生400円。【佐藤岳幸】












