衆院選島根1区に、読み方が同じ「かめいあきこ」氏が2人立候補し、視覚障害者団体は「点字投票では候補者を区別できない」と危惧している。名前の漢字は異なるが、点字は表音文字のため氏名だけでは同じ表記になってしまうからだ。団体は国に候補者を特定するための書き方の例を提示するなどの対応を求めている。

 立候補したのは、届け出順に立憲前職の亀井亜紀子氏(56)、自民前職の細田博之氏(77)、無所属新人の亀井彰子氏(64)の3人。島根県選管によると、県内の国政選挙で姓名の読み方が同じ候補が複数届け出たのは戦後初めてという。

 投票先を判別できない投票は、候補者の得票数に応じて振り分ける案分が行われることになるが、県選管は取材に「読み方が同じ2人の候補者に注目がいくと中立性を保てない。案分を避ける方法などを周知することはできない」としている。

 そこで県視覚障害者福祉協会は、島根1区の視覚障害のある有権者に補助者を定めて指示通りに記入してもらう代理投票制度の利用を勧めるほか、点字投票する場合は例えば候補者氏名に加えて届け出政党名を書くなどして特定するよう呼び掛けている。公職選挙法は、候補者の氏名以外の「他事」を記載すれば無効投票になると定める一方、「職業、身分、住所または敬称の類」を記入したものは「この限りでない」としているからだ。

 同協会の副会長で弱視の小笠原年康さん(67)は「入れたい人に票が行かず、案分されてしまっていいのか。国は適切な書き方を広く周知してほしい」と話している。【小坂春乃】