大相撲九州場所12日目は24日、福岡国際センターであり、平幕の王鵬が関脇の豊昇龍をはたき込み、10勝目を挙げてトップに並んだ。

 勝利を確信した瞬間、土俵上で王鵬の表情は少し緩んだ。初の三役力士との対戦が、同じ2018年初場所初土俵で、同学年となる関脇・豊昇龍。「(表情が緩んだのは)恥ずかしいというか、憧れている力士像とは違う。でも『よし』という気持ちがあったのかもしれない」。ライバルが相手で気合の入り方が違った。

 序ノ口と幕下時代に対戦はあったが、幕内では初の顔合わせだった。立ち合いで頭をぶつけ、わずかに王鵬が押し込んだことで、相手の焦りを誘う。相手が慌てて頭を下げて前に出てきたところを、左に回り込みながら頭を押さえてはたき込んだ。

 王鵬が歴代2位の幕内優勝32回を誇る大鵬を祖父に持てば、豊昇龍は歴代4位となる25回の優勝を飾った朝青龍が叔父になる。ともに角界を沸かせた横綱を親戚に持つエリート力士だが、出世街道では新十両、新入幕、新三役と豊昇龍が先を進んでいた。「すごいなーと思って、いつも見ている」と王鵬。しかし、対戦となると勝ち気にあふれていた。

 連勝も連敗も続く「ツラ(連)相撲」となる傾向があるが、11日目に敗れても悪い癖に陥ることなく、幕内で初の10勝目。豊昇龍、元大関の高安を含めて2敗で3人が優勝争いのトップに立つ混戦に持ち込んだ。

 「小さい頃から夢見ていた上位の土俵で相撲を取れた。優勝に絡んでいけるのはすごいうれしい。毎日がすごい楽しい」と充実した表情を見せる。62年前の九州場所で初優勝を飾った祖父と同じ道を進もうと、13日目は高安に挑んでいく。【藤田健志】