<この体験記を書いた人>
ペンネーム:れもん
性別:女
年齢:45
プロフィール:二人の息子を持つシングルマザー。椎間板ヘルニアでもハイキングがやめられません。
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私は46歳のシングルマザーです。
19歳と14歳の息子、78歳の実父、71歳の実母の5人暮らしです。
コロナで世間が厳しい中だと、人の優しさが身に沁みますが、そうした優しさを素直に受け取れない自分がいます。
そうなってしまったのは7年ほど前に職場で起きた出来事がきっかけです。
当時メインでやっていたお仕事の他に、掛け持ちで週末のみスーパーのレジ打ちと品出しのパートに出ていた時期がありました。
スーパーで働くことはその時が初めてではなく、高校生時代にアルバイトした経験があります。
とはいえ初めての職場では仕事を覚えること以外にも、1日も早く人間関係や雰囲気にも慣れる必要があります。
入ったばかりで心細かった私に、とても親切にしてくれたのが正社員の女性Aさん(当時48歳)でした。
幸い職場全体の雰囲気も良く、Aさんの細やかな心遣いで、私はスムーズに職場に溶け込むことができました。
スーパーの仕事を初めて1カ月ほどたった頃には、すっかりAさんに心を開き、面倒見の良いお姉さんのように感じていたと思います。
そんなある日、Aさんからランチのお誘いを受けました。
その日は次男が早く学校から帰ってくる日だったため、あらかじめ母に、私の代わりに自宅にいてもらうようお願いする必要がありました。
ですが子供抜きでランチにいくこと自体、ものすごく久しぶりだったこともあり、私はなんとか都合を付けて行きたいと思っていました。
母も「たまには息抜きしたら」と快く承諾してくれたので、私はAさんとランチに行けることとなりました。
約束の当日、近くのファミレスでお昼ごはんを食べながら、普段職場ではなかなか話せない事柄にまで話題は及び、しばらくの間食事と会話を楽しんでいました。
でも今思えば明らかに、途中から雲行きは怪しくなっていました。
ランチ後半の時間は、やたらとAさんが過去の苦労話をするのです。
そして、ついにある存在に救われたという話が...。
全く聞かされていなかったのですが、どこからともなくAさんの友人というBさんがやってきて、私達が座っていた4人掛けのテーブル席に着席。
「今日は3人で会う約束だったんだっけ...? 私が話をちゃんと聞いてなかっただけ?」
そんなことを思いつつも、とりあえず私が何か聞き逃していたと思うことで、この場も楽しめるならそれでいいかと思っていました。
しかし、Aさんの友人Bさんが話すのも自分の不幸話ばかり。
そして、私まで気持ちが落ち込んだところで、また何かの存在に救われた話...。
「...ん? さっきと同じ展開...」
ここで、2人は同じ本(おそらく宗教団体が発行している書籍)を取り出し、熱心に私にその必要性を説得してきたのです。
本当に唖然とししました。
また、なかなか帰らせくれなくてイライラしたのも覚えています。
それでもAさんには優しくしてもらった恩と、職場でまた顔を合わせなきゃならなかったこともあり、頑張って平静を装い、やんわりとお断りしてようやく帰りました。
翌日Aさんと職場で顔を合わせると、Aさんは私のことを無視。
あいさつどころか目も合わせようとはしてくれませんでした。
結局、Aさんには宗教の勧誘という目的があったから、私に優しかったんだと気が付きました。
同時になんだか悲しい気持ちになってしまったことを、今でもよく覚えています。