<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。


81歳の父のことです。
父は昔から口数が少ない人です。
話しかけても、気が向かなければ返事をしないのはいつものこと。
私とは真逆なので「どれだけ口が重たいんだ」と理解できませんでした。
それでも、5年ほど前に仕事を引退してからは気持ちが軽くなったのか、自分から話題を振ることも増えてきました。
それ自体は良かったと思っていますが、拍車が掛かった面倒臭がりの影響か、いい加減なことも平気で言うようになってしまったのです。
例えば、「テレビが壊れたから買いに行こう」と言われて様子を見てみると、リモコンの操作が間違っているだけ。
たまに顔を合わせる兄には「毎日歩いている」と言いながら、本当は極力歩くのは避けて、せいぜい自転車に乗るだけなんてこともありました。
歩くことに関しては、嘘をついて安心させても意味がないと思ってやめるように言ったところ、「別にどっちだって変わんねーよ」と全く反省していませんでした。
そんな父は高血圧で病院に通っています。
30年近く地元の町医者の先生に診てもらっていましたが、先生が引退するのを機に、2021年から病院を変えることになりました。
新しい病院も自宅の近くで、勝手が分からないような大きな病院ではありません。
でも、この頃の父のいい加減さに不安を覚えて一緒に病院に行きました。
すると案の定、野菜に気を使った食事をしているとか調子のいいことばかり並べて笑っています。
最初が肝心とばかりにかたわらから私が訂正しましたが、父はこりません。
先日も「熱中症に気を付けないとね。水分ちゃんと摂ってる?」と聞かれて「はい! 水だけでも毎日コップに6杯くらい飲んでます」と、シレっと嘘をつきました。
本当は、食後のお茶を水とカウントしてもせいぜい合計4杯です。
もっと飲むように言うと逆ギレされます。
そしてさらには「お酒? うん。ちょっと減らしてるよ」とニッコリ笑顔で嘘の上塗り。
嘘です! 変わっていません! 日によってはオーバーします!
私が一緒にいるのによくもそこまで言えるなぁと、さすがに笑ってしまいました。
きっと父は先生に「良いこと」を言いたいのでしょう。
見栄を張っているのかも知れません。
その気持ちはちょっと分かる気もするのですが、体のことなので正直に言わなくてはと、いちいち私が訂正しています。
仕事もあるので、本当は一人で病院に行ってもらいたいのですが、こうも毎回いい加減なことばかり言っている姿を見ていると不安で、付き添うことが続き困っています。