<この体験記を書いた人>
ペンネーム:konohana
性別:女
年齢:54
プロフィール:54歳の主婦です。56歳の夫と大学生(21歳)の息子との3人暮らし。家事とパートであたふたしています。

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我が家には、1年浪人して進学した21歳になる大学生の息子がいます。
第一志望は遠方だったため、合格の暁には一人暮らしで通ってもらうつもりでしたが、残念ながら合格ならず、家から通える大学に入学しました。
本人も一人暮らしはしたかったようですし、私(54歳)も一人暮らしに賛成でした。
子どもが家を出てしまうのは寂しいとも思いましたが、それ以上に一人暮らしに懸けていた思いがあるのです。
息子は、切迫流産で約4カ月の入院後に無事生まれた大切な子です。
どんな親御さんにとってもお子さんは同じように可愛いと思いますが、やはり我が家は、生まれてきただけでありがたい、という気持ちが強かったようです。
どうも可愛がりすぎるというか、過保護になりがちな気がしていました。
夫(56歳)も愛情深く、この年代の男性からすると珍しい、子どもに関わるタイプのイクメンだと思います。
もう21歳になる息子が出かけるとき「何時に帰る?」と聞くのは夫の方です。
私は、子どもが生まれる前から民間の子育て講座などで勉強したりしてきて、過保護、過干渉はよくない、と学んできました。
そのため、子どもが大きくなるにつれ、なるべく干渉しないようにしてきたつもりです。
しかし、やはり何かにつけて息子に振り回される、子ども中心の生活になってしまいました。
これではいけない、といつも思っていたのが「朝、起こすこと」。
息子が小学生の頃読んだ子育て本には、「小学校高学年になったら、自分で起きさせることが自立の第一歩」と書いてありました。
それを読んで以来、いつも「朝、起こすこと」に罪悪感がありました。
あるときは、思い切って「朝起こさない」こともやってみました。
当然、子どもは遅刻をし、悲しそうな顔で出かけていきました。
その顔を見ると、もう続きません。
中学、高校、浪人時代と、朝、息子を起こしました。
中高生は部活で疲れ果てていて、起こさずにはいられず、浪人時代も頑張っているので、起こさずにはいられませんでした...。
そして、大学1年。
いよいよ一人で起きてもらうことに。
1年目はコロナのせいで大学に行けず、オンライン授業だったため、朝起こさなくても問題がなかったようでした。
やっと2021年から大学の対面授業が始まり、朝、出かけるようになりました。
最初は、起こさないでいましたが、どうやら、ぽつぽつ寝坊、遅刻している様子が分かってきました。
ああ、これでは単位を落とすかもしれないと思った私は、やむなく再び起こすこととなりました。
ああ、またこの葛藤から逃れられないなあ、一体いつまで起こすんだろう? というか、いつになったら自分で起きられるようになるんだろう? 悶々とする日が続きました。
そんなある日、実家の母(84歳)に電話で愚痴りました。
すると、母の口から驚くべき言葉が!
「あんたは、声かければ起きてきたけどね。でも、結婚まで起こしてたじゃない」
「え? 待って? 私、社会人になっても起こしてもらってたっけ?」
嘘でしょ? 全く記憶にないよ!
ずっと親が起こし続けたら、大人になったときに困ったことになるから、自立のために起こさないようにしなくちゃ、と思っていました。
ですが私は別に結婚してから自分で起きられなくて困ったことなんてありませんでした。
なあんだ、大丈夫なんだ。
母の話を聞いて、長年のモヤモヤが吹っ飛びました。
起こしていいんだ、と。
息子を迷いなく起こせることがうれしいです。