あなたはパートナーと家計について話し合っていますか? 必要だと思っても、お金の話題になると話しにくい方もいるのではないでしょうか。家計再生コンサルタントとして、2万6000件以上もの家計相談を受けてきた横山光昭氏の著書『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』には、そんな状態の家計を改善するノウハウが詰まっています。自分に合った家計改善方法は何か、日常を振り返りながらチェックしていきましょう。
※本記事は横山光昭著の書籍『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)から一部抜粋・編集しました。

「食費」って、月収の何割に抑えるのが理想?
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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)


「3人家族で食費は月4万円」など、マネー雑誌やニュースを見て、「我が家は......」と思うこともあるかもしれません。「平均額がいくら」といわれても、ピンとこない。でも、食費の理想を目指して私が掲げる3つの提案は、ラクに実践できるでしょう。

2万6000件以上の家計相談でわかった理想的な「食費」の割合
これまで2万6000件以上の家計相談を受けてきたなかから、「理想的な家計の支出の割合」を導き出していくと、家族構成によっても異なりますが、食費の割合は「手取り月収の12〜15%」です。
夫婦と小学生未満の子どもが2人いる4人家族の場合なら、お子さんの食べる量が少ないはずですから「12%」が目安です。世帯の手取りの月収が40万円だとしたら、1カ月の食費は4万8000円以内に抑えるのが理想的ですね。
子どもが中学・高校生の場合は、理想を言えば、15%ですが、最大でも17%台が限界です。
これ以上だと、支出における食費の割合が多すぎます。
現状と照らし合わせてみて、使いすぎているようなら食費の節約が必要です。
これらはあくまで理想で、実現するのは厳しい数字かもしれませんが、できるだけ近づくように努力してみてください。

「週の予算」で考えるとやりくり上手になれる
食費を抑えるためのポイントは、まず、「予算をきちんと決めること」です。ポイントは、1カ月ではなく「1週間」の予算を決めること。
理想の支出の割合から導き出した食費の予算が「月5万円」だとしたら、5週間で割って、「1週間で1万円」というように、週に落とし込みましょう。
こうして短いスパンで予算を管理したほうが、「残りどれだけ使えるのか」がハッキリして、使いすぎを防ぎやすくなります。
「今日3000円買ったから、今月はあと4万7000円に抑えよう」よりも、「今日3000円買っ
たから、今週は残り7000円でやりくりしよう」のほうが、わかりやすいはずです。
また、「食費専用財布」を用意するのもおすすめです。
買い物に行く時には、1週間分の予算額だけしか入れないようにします。
すると、そのお金のなかでやりくりするしかなくなるので、自然と買い物を工夫するようになります。
徐々に食費を減らせばリバウンドしない
あとは、「ムリをしないこと」も大切です。
急に食費を減らすと、リバウンドします。以前、3人家族で食費を月8万円使っている相談者の方に、使いすぎを指摘したところ、次回の相談時に、半分の月4万円近くまで削ってきたことがありました。
なぜそこまで減らせたかというと、単純に食べる量を減らしたから。しかし、家族から大ブーイングだったそうです。これでは不満がたまり、長続きしません。
大切なのは続けること。そのためには極端なことをせず、少しずつ予算を削ることが重要です。月8万円を食費に使っているなら、「今月は7万円」「来月は6万5000円」というように、徐々に減らしていけばムリなく節約を続けられるでしょう。


横山光昭
家計再生コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・株式会社マイエフピー代表取締役/1971年、北海道生まれ。1999年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。2001年、札幌で横山エフピー事務所を開業。2008年、株式会社マイエフピー設立。2009年には「年収200万円からの貯金生活宣言」を出版し、ベストセラーに。 2013年、拠点を東京都へ移す。お金の使い方そのものを改善する独自の家計プログラムで、問題の抜本的な解決や確実な再生を目指し、個別相談・指導には高い評価を得ている。これまでの相談件数は、2万6000件を突破。著書は181冊、累計発行部数は397万部。テレビやラジオなどの出演も多数。