限りある時間をどう過ごすかは自分次第。でも、目の前のことに忙殺され、上手く時間を使いこなせない日々にストレスを感じてしまう...。そんな満足いかない時間のおくり方をしている人に「時間の価値」を提唱しているのが、ベストセラー『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の著者・柿内尚文氏。『このプリン、いま食べるか? ガマンするか? 一生役立つ時間の法則』の厳選したエピソードから、後悔しない時間の使い方を学び、有意義な人生をおくりませんか?
※本記事は柿内尚文著の書籍『このプリン、いま食べるか? ガマンするか? 一生役立つ時間の法則』(飛鳥新社)から一部抜粋・編集しました。

集中力のない人が考えた集中力アップ法
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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

集中力がある人のマネをしない
大学受験の模擬試験で、全国トップクラスの成績をおさめた友人がいました。
当時、成績が伸び悩んでいた僕は彼に「どうしたら成績が上がるのか?」と質問を投げかけました。そうしたら、回答はこうでした。
「昼間に集中力を全開にして勉強したら、そんなに長時間勉強しなくても成績は上がるよ」
詳しく聞くと、昼間に集中して勉強しているので、夜はヘトヘトになり早い時間に寝てしまうとのこと。
この時、悟ったんです。
「あぁ、彼と僕はもともとの資質が違うんだ」と。
僕には彼のような集中力はありませんでした。
すぐ飽きるし、テレビは観たいし、友人と話したいし、マンガも読みたいし、音楽も聴きたい。だから勉強は何かをしながらの「ながら」です。友人と勉強するためにファストフードに行き、あまり勉強もせずペチャクチャ話をして終わることもしょっちゅうでした。
集中力がない自分。集中力がある友人。だから、彼の方法は僕にはあてはまらない。
YouTubeや書籍などで、集中力をアップするノウハウが紹介されていますが、集中力がもともとある人の意見をそのまますべて鵜呑みにしても、再現性はないかもしれません。
でも、集中力はどうにか手に入れたい......。
そこで、さまざまな集中力アップ法を学び編み出したのが「集中力がない人のための集中法」です。

集中せざるを得ない環境をつくる
NetflixやAmazonPrimeなどがあるのに、わざわざ映画館に映画を観に行くのはなぜなのか? 映画館に行く人の意識には「映画館なら映画に集中できてより満足できる」というマインドがあるのではないでしょうか(その作品を早く観たいというニーズももちろんあると思います)。

映画の上映中は、スマホを見られない。会話も食事もほぼできない。とにかく映画に集中する環境が整っています(デートで行く時のみ別かもしれないですが)。
ここに集中力をつくるヒントがあります。
そう、「今ここ」に集中せざるを得ない環境をつくればいいのです。
たとえば僕のやり方は下の表にある通りです。リモートワークで場所が選べる時は、仕事で集中力を発揮するためにいろいろな方法を探しました。
自宅の仕事用のデスク、会社のデスクでも1時間くらいしか集中できないので、さまざまな場所を活用しながら、自然と集中が続くようなサイクルをつくっていきます。
一方で、自分にとってオフィスは一人で集中するにはあまり向いていない場所なので、打ち合わせをする場所という位置付けにしています。
表に書いたのは個人的なものなので、誰にでも通用するわけではありません。人によって集中しやすい環境は違うので、自分に合った場所を見つけて、集中力を高めるための環境をつくってください。
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柿内尚文

編集者、コンテンツマーケター。1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。現在、株式会社アスコム常務取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は1300万部以上、10万部を超えるベストセラーは55冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(共にかんき出版)はベストセラーに。趣味はサッカー観戦。