「『小さな暮らし』を選んだのは、終活のためではありません。これからも立ち止まらず、気持ちよく前に進むための方法なのです」と語る管理栄養士で料理研究家の村上祥子さん。今回は「小さな暮らしの10のルール」についてお聞きしました。

※この記事は月刊誌『毎日が発見』2022年5月号に掲載の情報を再構成したものです。
【ルール】お助け調理グッズを活用する
料理をすることが億劫になると、三食きちんと食べることができなくなり、低栄養になりかねません。
日頃から私が提唱している「早・うま・カンタン調理」を実践していただければ、負担にならない調理ができます。
「早」は、便利な調理家電を使いこなして実現できます。
特に電子レンジ。
使い方が分かると、ご飯、煮もの、焼きもの、揚げものなどの料理が手間をかけなくてもできます。
この頃の電子レンジは多機能で使いこなすのが大変。
私は、オーブン機能が付いていない単機能のものを使っています。
オーブンが必要なときは、オーブントースターで十分用が足せます。
電子レンジなら、煮炊き用の鍋を洗う必要もなく、食事をする器のまま調理ができるので、かなり手間が省け、時間の短縮もできます。
これに使う野菜は、あらかじめ100gずつ切って冷凍しておきます。
もう一つよく使うのがフードプロセッサー。
野菜のみじん切りが一瞬でできます。
昆布やかつお節を粉にし、粉のだしを作ることも。
また積極的に取り入れたい、たんぱく質源の肉や魚介も簡単に刻んでくれ、介護食にも使えます。
これらを使いこなせるようになると、調理時間が短縮でき、「カンタン調理」が可能になります。
ところで、炊飯器の「おかゆモード」を使っていないという声を聞きます。
これも家電の使いこなしの一つ。
時間をかけて作っていた米から炊く、本格的なおかゆができるのです。
温めだけに使っていた電子レンジや使ったことがないフードプロセッサーは、「小さな暮らし」の必需品です。
2205_P049_01.jpg
電子レンジは単機能。600Wで加熱するだけのもの。
2205_P049_02.jpg
フードプロセッサーは刻む、混ぜる、粉にするなどに活躍。
2205_P049_03.jpg
瓶などの中身もきれいに取れるシリコン製のスクレイパー。
2205_P049_04.jpg細かい部分の汚れをきれいに取る洗いもの用ブラシ。

《100円グッズも大活躍しています!》
2205_P049_05.jpg
写真右上から時計回りに、ラーメン鍋、ねぎナイフ、薄切りスライサー&おろし金、ガラスの保存瓶。どれも説明の必要がない品々ですが、ねぎナイフは、長ねぎのせん切り、万能ねぎの斜め切りなどができます。ラーメン鍋はふた付きで、電子レンジ調理にぴったり。これで鍋料理をします。保存瓶は乳酸キャベツなどを作るときに。洗って乾かせば何度でも使えます。


撮影/江口 拓(スタジオ COM)

<教えてくれた人>

管理栄養士 料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。