0おすすめ302_小学校_ マメ美
大人でも子どもでも、大勢ですごすことが好きな人も入れば、少人数ですごすことが好きな人もいるし、ひとりの時間をこよなく愛している人だっていますよね。みんな違っていいはずなのに、それがわが子のこととなると途端に心配ごとに変化してしまうのが親心。今回寄せられたのは、友だち付き合いにあまり関心を示さないわが子のことを心配するママからのお悩みでした。

『子どものクラスにはクラス専用のLINEグループがあって、一部の子どもたちでしょっちゅう盛り上がっています。「どこで遊ぶ?」とか「どこで集まる?」、「楽しかったね〜」みたいに。しかしうちの子は基本的に既読スルーか未読にしているらしく、「それでいいの!?」と、モヤモヤしてしまいます。いつも中心で盛り上がっている、いわゆる“陽キャ”と呼ばれる子たちともお付き合いしてほしい……なんて思ってしまうのです』

投稿者さんのお子さんはひとりで没頭できる趣味があるらしく、基本的にはひとりですごすことが多いのだそう。ときおり、友だちに誘われて遊びに行くこともあるそうですが、もっといろいろな人と交流を深めてほしいのにと投稿者さんはモヤモヤしてしまうのだそう。なぜモヤモヤしてしまうのか、わが子はこのままでいいのか、一緒に考えてみましょう。

自分らしくいられる時間をすごすことが一番大切


人の考えや受け取り方は千差万別。ですから、社交的であることに価値があって、社交的でないと価値がないように感じる人がいてもおかしくはありません。たしかに社交的であることは素晴らしいことですが、別に社交的でないからといってダメなわけではありませんよね。

『没頭できる趣味があるってステキだね。本人が好きなことをして、好きな友人と適度に遊んでいるならそれで十分だと思う』

投稿者さんのお子さんは社交的ではないかもしれませんが、没頭できる趣味をもっている上に、ときどき遊びに誘ってくれる友だちもいる。その子と遊びに行くこともあるそうで、聞いているととても充実しているなあと羨ましくすら思えます。こうしてみると、横並びにして甲乙つけられるものでもなさそうですよね。

“ぼっち”って悪いことじゃない

老若男女問わず、さまざまなシーンで使われるようになった「ぼっち」という言葉。なんとなくひとり歩きしている気がしませんか? まるでひとりで行動することが悪いみたいな流れもときおり見かけます。しかし、さきほどの話にも登場した社交的でないことと同じく、別にぼっちでもダメなことなんて何もないのですよね。ぼっちであることを自分が淋しいと思っているのであれば、何か改善策を考えてもいいのかもしれませんが……。それにやりたいことがあって自ら選択して「ぼっち」街道を歩んでいるなら潔くていいじゃないですか! はっきりとそのことを親に伝えられる投稿者さんのお子さんの強さ、とても素晴らしいと思います!

陽キャがいいとも限らない?

『陽キャと言われる子たちも、一見楽しそうに見えて、目立つ子ほどトラブルも増えるみたいよ。親はそれで悩んでいるみたい』

大勢で集まり、毎日楽しそうにすごしているように見える子どもたち。一見楽しそうに見えても水面下ではいろいろな悩みがあるようですね。たしかに交流が増えると世界は広がりますが、自ずとトラブルも増えるもの。また人数が多いと、人間関係の面倒なしがらみや付き合いなどにうんざりする……なんてこともあるかもしれません。本当は今日は家で静かにしていたいのに、誘われると断るわけには行かない……。そのような悩みは、大人だけでなく子どもでもシビアそうです。

付き合う相手次第で起こる問題もある

『上の子がいわゆる“陽キャ”でさ。交際費はかかるわ、帰りは遅くなるわ。あげく、勉強しないことがカッコいいみたいな風潮のグループに属しちゃって。距離を置かせるのに苦労したよ』

周りの影響を受けやすい年代となると、属しているグループの影響をもろに受けることもあるようです。これは“陽キャ”であるなしはあまり関係ないのかもしれませんが……。ただ、人数が多いと自ずと右へならえとする団結力のようなものが強固になりがちですよね。そして注目したいのは「交際費」の負担。付き合う人数が多いと遊びに行く頻度も増えますから、交際費も増えていくわけで……。まだバイトもできない年代ともなれば親が負担させられることも出てくるかもしれません。これが実はイヤイヤ付き合っているのであれば、目も当てられませんよね。

「選択ぼっち」も認めよう

投稿者さんは、お子さんに学校生活や学生時代をエンジョイしてほしいと考えているのかもしれませんね。筆者も同じように考えたことがあるので、お気持ちがわかるような気がしました。当時を振り返ると、わが子にも大勢友だちがいて、いつも楽しそうで……と、そのような夢を思い描きすぎていたのかもしれません。しかし筆者の子どもに「自分で選択してひとりを楽しんでいるのに何が悪いの?」と言われたとき、雷に打たれたような衝撃を受けたのです。

自分のやりたいことを見つけたり、自分らしく過ごす時間を送ったりできることも生きていく上で大切なのだと気がついてからは、筆者も楽になりました。もちろん、周囲とコミュニケーションを取ることの大切さや、人付き合いの方法などについて話すことはありますが、あとは本人に任せています。子どもの人生ですしね。

親子でも違う人間であることを認めると楽になるかも


もしかすると投稿者さんは、わが子が自分と違いすぎてついモヤモヤしてしまうのかもしれません。でもそれでいいんです。血がつながっている家族だって、自分とは別の人格ですから違っていいんです。違う人間であることを意識すれば、自ずとお子さんの行き方も肯定できるようになるかもしれませんよ。それに友人の数だけが人生のすべてではありませんしね。それよりも、自分の意志で行動し、きちんと意思を伝えられる強さをもつお子さんを、どうか誇りに思ってあげてください。