コロナ禍での働き方として注目を集めているのがリモートワークです。政府も新型コロナ対策として、「リモートワーク7割」を目標に掲げていますが、各種調査ではリモートワークの普及率は2〜3割程度。緊急事態宣言が出されても、なかなか浸透していないのが実態のようです。


リモートワーク導入率は2〜3割

リモートワークとは、“会社から離れた場所で働く”という意味で、オフィス以外の場所で業務を行うことです。同じように使われる言葉にテレワークがありますが、厚生労働省の定義によると、「ICT技術を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」がテレワークで、パソコンなどICTツールを用いた働き方となります。

リモートワークとテレワークの違いは、ICTツールを使うかどうかですが、場所にとらわれずに働くという点では、同じようにとらえてもよいのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況では、通勤時やオフィスでの感染を防止するためには、リモートワークは有効な手段です。政府も出勤者を7割削減するために、懸命にリモートワーク導入を企業に呼びかけています。

ところが、日本生産性本部が1月に実施した「働く人の意識調査」によると、テレワークの実施率は22.0%、2020年3月から厚生労働省とLINE株式会社が行っている「新型コロナ対策のための全国調査」によるリモートワーク実施率も全国で約30%です。

リモートワークが不可能な業種もあり、また、従業員の勤怠管理や生産性という面から、なかなか従来の働き方から脱しきれない企業もあるようです。しかし、リモートワークによって、従業員の満足度が高まったと成果を上げている企業もあります。

リモートワーク導入で満足度アップ

その企業とは、「おとりよせネット」などライフスタイルメディアの運営事業、食を軸にした地域創生支援事業を展開する株式会社アイランドです。

リモートワーク導入から1年が経過した2021年3月に、社員に対して実施したアンケートによると、70%が「非常に満足」と回答し、「やや満足」の30%を合わせると100%になり、現状ではリモートワーク導入によって、満足度の高い結果が得られていることがわかりました。

また、仕事の生産性の変化については、「非常に高まった」が15%、「やや高まった」が55%、「変わらない」が25%、「やや下がった」が5%と、7割が生産性の向上についても実感しているようです。

リモートワークの課題とされているのがコミュニケーションについてですが、所属チームと社内全体のオンラインコミュニケーションは「取れている」が60%、「とてもよく取れている」が25%、「どちらともいえない」が15%で、コミュニケーションでも一定の評価が得られているようです。

株式会社アイランドでは、リモートワーク導入に際して、オンラインコミュニケーションツールの活用や、日報、上司との定期的な面談、毎週1回のオンライン朝礼などで、コミュニケーション不足を解消する取り組みを行っているそうで、今後はニューノーマルに即した社員交流の機会を増やし、社内活性化を推進していく予定ということです。

制度設計や評価制度などの見直しが必要

主要ターミナル駅の出勤風景や、夜の繁華街の、休日の観光地などの様子がニュースで度々報じられていますが、思いのほか人出は減っていないようです。リモートワーク導入率も、最初の緊急事態宣言が発令されたときに比べ、横ばい、あるいは減少しているようです。

せっかくリモートワーク制度を導入したにもかかわらず、縮小や廃止をする企業も決して少なくはありません。

もちろん、リモートワークならではの課題も多く、導入によってどの程度の効果があったのかを判断するのも難しいでしょう。

しかし、新型コロナウイルス感染防止の有効な手段であることはもちろん、社員のワークバランスの面でも、効果が期待できる働き方の一つです。導入にあたっては、制度設計をはじめ、社内規程の整備や評価制度などの見直しなども必要です。

導入に成功している企業を参考に、生産性向上と、社員のエンゲージメント向上につながる、効果的なリモートワーク導入を、真剣に検討すべき時期といえるのではないでしょうか。

まとめ

ライフスタイルの変化に合わせて柔軟な働き方が選択できることが、会社を選ぶ選択肢の上位にランクされるようになっています。優秀な人材を確保するためにも、リモートワークを定着させていくことが、これからの企業には、強く求められることになりそうです。