新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広がったテレワークですが、コロナ禍2年目となり、そのメリットとデメリットも指摘されています。
ビジネスパーソンは、テレワークをどのように受け止めているのでしょうか?

2020年4月からテレワーク開始は約8割

リクルートが2020年12月に実施した「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査アンケート」によると、テレワークが2020年2月以前に始まったのはわずか4.9%でした。ところが、「2020年3月開始」が30.2%、「2020年4月開始」が79.3%、さらにテレワークが難しいとされていた派遣スタッフも「2020年5月時点」で48%がテレワークを経験したことがわかりました。

これは、コロナ禍を機に、テレワークが急速に浸透したことと、幅広い層に広がったことを如実に示す調査結果となりました。

また、テレワークの受け止め方についてはさまざまな調査結果が公表されていますが、リクルートの調査では「非常に良かった」が15.7%、「良かった」が50.4%と、肯定的な印象の人が7割近い66.1%に達しています。

そして、テレワークの満足度は、会社の基準やルールに沿ってテレワークを実施している人と、仕事の時間などを自己の判断で行っている人で違いがあることがわかりました。

つまり、テレワークの最大のメリットは、働く時間や場所にとらわれることなく、それぞれの生活パターンに合わせて働くことができることです。本来、自由な働き方ができるはずなのに、何時から何時までと会社側が決めているようでは満足にはつながらない、ということでしょう。

メリットと課題が表裏一体

こうした調査結果から、藤井薫リクルートHR統括編集長は、テレワーク2年目の現状を「企業と社員が実感する“メリットと課題が表裏一体”」と分析しています。

たとえば、テレワークのメリットと課題を「仕事」「生活」に分けて整理してみると、仕事のメリットとして挙げられている「生産性の向上」と「キャリアの再構築」は、課題としても「生産性の低下」と「キャリアへの失望」として挙げられています。

生活におけるメリットとして挙げられている「ライフリデザイン」と「QOLの向上」についても、仕事の場と生活の場が同じであることから、生活にメリハリをつけられずに悩む人も多く、仕事をするスペースの確保にも苦労していることがストレスにつながっている実態も見えてきました。

「束縛からの解放」と「選択肢の増加」が重要

テレワークは、制度として導入するだけでは生産性の向上にも社員の満足度にもつながらないようです。

藤井薫リクルートHR統括編集長は、生産性向上につながるテレワークには「束縛からの解放」と「選択肢の増加」が必要なことを指摘しています。

それを阻害しているのは、「出社が当たり前」という感覚が根付いている上司の存在もあるようです。その意識改革も進めるとともに、一人ひとりの“個”を尊重する観点を持ち、制度設計やマネジメントを実行することが、テレワークのメリットを享受するためには、大切なことと言えるではないでしょうか。

まとめ

テレワークの普及により、働く時間も場所も個人が自由に選択することが可能となりました。しかし、その自由であるはずの働き方が会社の都合や上司の勝手な判断で決められていると、テレワークの効果を期待することは難しいようです。効果を上げ、社員に満足してもらうカギとなるのが「束縛からの解放」と「選択肢の増加」ですが、自身の勤務先実情はいかがでしょうか。