航空会社や旅行会社、外食産業など、コロナ禍の影響が深刻な企業における採用の中止や採用人員の減少などが相次ぎ、売り手市場から一転して厳しい環境となった就職戦線ですが、内定取り消しが136人となり、2年連続で100人を超え、高止まり傾向が明らかになりました。

目次【本記事の内容】

内定取り消しは2020年より大幅減少となるも2年連続で100人超

採用内定の解禁日となった10月1日、多くの企業が2022年卒業予定者の内定式をオンラインで行ったことが、新聞やテレビのニュースで報じられました。

コロナ禍でも、企業の採用意欲は依然として衰えていないことを示すものですが、厚生労働省は、8月末時点の集計で2021年3月卒業者の内定取り消しは136人(37事業所)と発表しています。

2020年3月卒業の211人(82事業所)に比べれば、大幅に減少してはいますが、2年連続で100人を上回り、高止まりの状態が続いています。その背景にあるのは、やはり新型コロナウイルスの影響です。

苦しく難しい局面に耐えた就職活動

内定取り消しのうち、コロナの影響によるものが124人(25事業所)と実に9割を超え、入社時期が遅れた内定者も157人と、コロナ禍での新卒者にとっては、新社会人のスタートは厳しいものだったことがうかがえます。

その厳しさを示すのが、マイナビが2022年卒業予定者に実施した、今年の就活を表す漢字の調査です。1位になったのは「苦」で、2位が「楽」、3位が「耐」、4位が「難」、5位が「迷」となっています。

コロナ禍の卒業予定者にとっては、苦しく難しい局面に耐えた就職活動だったようですが、リクルートの調査では、2022年卒業予定の大学生の内定率は9月時点で90.0%となっています。また、こうした状況を反映してか、公務員を志望する傾向が高くなっているようです。

意外に少なかった内定取り消しを懸念する学生の声

新卒採用サイトを運営する学情の調査によると、59.7%は「内定承諾をし、就職活動を終了した」となっており、「内定承諾をした上で、就職活動を継続した」が22.2%、「内定承諾を保留した上で、就職活動を継続した」が18.1%となっています。

内定を獲得したにもかかわらず、就職活動を継続した理由ですが、1位が「志望企業の選考予定が入っていたから」(58.6%)、2位が「就職活動で後悔したくないから」(57.1%)、3位が「内定を得た企業で就職先を決めていいか分からなかったから」(37.4%)となっています。

また、コロナ禍による業績不振での内定取り消しの不安については4.9%で、“苦しく難しい局面に耐えた就職活動”だったにもかかわらず、内定取り消しを懸念する学生は、意外に少なかったこともわかりました。

内定獲得社数の最多は「1社」の37.6%

採用枠を大幅に減らした企業もあれば、採用そのものを見合わせた企業もあるなど、売り手一色の学生優位だったコロナ前の就活事情とはかなり様相が違いますが、それでも来春には、多くの新社会人がスタートを切ることになりそうです。

ちなみに内定を獲得した社数の最多は「1社」の37.6%で、「2社」が28.4%、「3社」が19.0%と続き、「5社以上」から内定を獲得したのは7.5%ですから、どのような状況であろうとも就活戦線にはどん欲に取り組んできた逞しさがうかがえます。

人事や総務担当者は、夢と希望を抱いて入ってくる新入社員が戸惑わないように、今から迎え入れる準備を整えておくようにしておきましょう。

まとめ

就職活動過程のほとんどがオンラインで行われ、内定式も多くの企業がオンライン実施となったのが2022年卒業予定者です。なかには、新社会人のスタートがリモートワークということも考えられるだけに、内定者に対するフォローが重要となりそうです。