組織・従業員の業務効率を高め、生産性を向上させることは、業種・業態を問わず、あらゆる企業組織にとって実現すべき最重要課題といえます。しかしこのようにいうと、営業支援システムの導入やクラウドサービスの活用など、コスト・時間のかかる対策を考える方も多いのではないでしょうか。

実はそれほどお金や手間をかけなくても、日常的な業務におけるちょっとした工夫で、仕事の効率を各段にアップさせる方法があります。今回はその便利な仕事術を3つご紹介しましょう。

生産性をアップさせる上で重要な仕事のスピード

近年、ビジネスの場でのIT化が進み、企業組織全体で仕事のスピード感がアップしつつあります。

たとえば、会議や打ち合わせ1つとっても、かつてはメールや電話、ラインで参加メンバーに開催を知らせ、社内の空いている会議室に集まって話し合いをするのが一般的でした。一方、今ではコロナ禍の影響も相まって、Zoom等を活用することで、メンバーがいちいち集まることなく実施するのが常識となりつつあります。

しかし仕事ができる能力の高いビジネスパーソン、あるいは高い成果を上げている組織・チームは、こうした企業全体として高まる仕事のスピード感以上に、仕事を速くするための独自の工夫をしていることが多いです。そのことが「差」を生むことにつながります。

仕事の速さを改善するためのポイントはあらゆる箇所にある

仕事のスピードを遅らせる要因は企業組織の中には多数あります。意思決定に時間がかかる、膨大な資料作成の作業、煩わしい日常的な事務作業など枚挙にいとまがありません。1人の社員が上司から仕事・プロジェクトなどを任された場合、こうした仕事の速さを鈍らせる要因は、業務の着手から最後まであらゆる場所にあるわけです。

この点は逆にいえば、業務内容のあらゆる箇所に改善の余地があるともいえるでしょう。組織として仕事のスピードを高めるという場合、経営支援システムの導入やクラウドサービスの活用など、コストのかかる対応策を考えるのも1つの方法ではあります。

しかし実は、ちょっとした創意工夫・アイデアにより、仕事のスピードが各段にアップすることもあるのです。以下ではその一例をご紹介しましょう。

仕事のスピードをアップするための仕事術

日常的な業務への取り組み姿勢を少し改善するだけでも、仕事の速さが向上する可能性があります。ここでは、仕事を速くするための3つの仕事術について取り上げましょう。

・不要な資料の裏側を使ってメモを取る

ビジネスの場でメモをするという場合、最近だとスマホを使うという方も多いかもしれません。しかし、学生時代の勉強や受験勉強のことを思い出してください。何かを覚えたいとき、あるいは考えるという場合、ノートに手書きで書くという作業を徹底して行っていたはずです。

この点はビジネスの場でも変わりません。何か考えたいとき、アイデアを思い付いたときに、直感的に何かを書ける用紙がデスク周りにあると、思考のスピードとクオリティを各段に高められます。

紙とペンによるメモの最大のメリットは、頭の中のイメージをモデル図として素早く表現できるという点です。これはスマホやタブレット端末だと難しい面があります。ペンで紙にイメージ通りに書いてみることで、アイデアを目に見える形で瞬時に描けるわけです。

なお、メモ用紙をわざわざ購入する必要はありません。職場にある不要となったA4資料裏側の白紙の部分を使えば十分です。

・パソコンの単語登録の活用

仕事でパソコンを使っていると、同じ言葉や情報を繰り返し入力するという場面に直面することが多いです。たとえば業務連絡のメールの場合、「いつも大変お世話になっております」「お疲れ様です」「よろしくお願いします」「○○部門の〇〇と申します」といった表現を何度も打ち込むことになるでしょう。

こうした同じ文面を作成する場合、盛り込む言葉をパソコンに単語登録しておくと、文章作成のスピードが大幅に向上します。

「株式会社」という言葉であれば、この言葉を単語登録しておくと「かぶ」と打ち込んだだけで「株式会社」が変換の候補として現れるように設定できます。つまり「かぶしきかいしゃ」と打ち込む手間が省けるのです。同様に「いつもお世話になっております」を「いつおせ」、「お疲れ様です」を「おつ」、「ご返事ありがとうございました」を「へんあり」にしておくと、入力の速さを向上できるでしょう。このような単語登録を数百〜1,000以上行った場合、行っていない場合に比べて文章作成のスピードは大幅に上がります。

組織の管理者であれば、こうした単語登録は従業員任せにするのではなく、会議・打ち合わせの場でチーム全体に行うのも有効です。どんな単語登録が便利だったかの情報も組織内で共有すると、作業スピードはさらにアップします。

・繰り返し活用できる資料を組織内で共有する

日常業務の中では、自社の製品・サービスに関する資料など他の場面でも再利用できる資料が多数生じます。そうした資料を、必要に応じて各従業員が時間をかけていちいち個別に作るのではなく、社内ネットワークやクラウドサービス上に専用のフォルダを設けてそこに保管・共有しておくと、組織としての業務スピードを大幅にアップすることが可能です。

GoogleのドキュメントサービスであるGoogle Docsを使うと共有フォルダを設定し、誰でもアクセスできるように設定できます。もし利用頻度が高い資料であれば、ダウンロードして自分のパソコン画面上からすぐに使えるようにしてもよいでしょう。

まとめ

IT化が進み、各種クラウドサービスが普及しつつある現在、企業組織の業務効率をアップするという場合、コストや時間をかけてしっかりと改変・改革を行うことは重要です。

しかし、仕事のスピードをアップさせて生産性を高めるという点においては、職場内のちょっとした工夫によって大幅に状況を改善できる可能性があります。

今回は不要な資料の裏側を使ったメモ書き、単語登録機能の活用、再利用できる資料の共有化について取り上げました。前者2つは個人でも取り組めること、後者1つは組織として取り組む内容です。

組織の業務効率が上がらなくて困っている経営者・管理者の方は、実践してみてはいかがでしょうか。今回ご紹介した方法以外にも、改善につながるアイデアはあるかもしれません。