デジタル仮想空間が身近になるにつれて、その技術を応用したさまざまなサービスが登場しています。メタバースもその1つであり、今後ビジネスの世界にも広がることが期待されるサービスです。

すでにメタバースは暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンなどの技術と結びつき、世界的にメジャーな企業もサービスへの参入をはじめています。この記事ではメタバースとは、という基本的な疑問からスタートして、ビジネスへの応用にまで踏み込んで紹介します。

メタバースとは?

「メタバース(Metaverse)」とは、SF小説に登場するインターネット上の仮想空間から引用した造語と言われています。実際にはインターネットを通じてアクセスできる、3次元の仮想空間のことを意味します。

現在は主にゲームでの利用が中心で、最近になってWeb会議やバーチャルオフィス、イベントなどにも利用範囲が広がってきました。基本的にはユーザーの分身であるアバターを使って、複数の仮想空間を移動しながら、他のユーザーと交流したり経済活動ができたりします。

メタバースとブロックチェーンとの融合

メタバースの原型は2000年代前半には登場していました。しかし、あくまでもインターネット上での仮想的なやりとりに制約されていました。ところが、仮想通貨の根幹的な技術であるブロックチェーンを応用することで、メタバースの可能性が広がりを見せているのです。

ブロックチェーンとは、サーバーのように中核となるシステムを必要としない、分散型のデータ管理システムであり、現在は仮想通貨以外にも応用が進んでいます。最もよく知られているのは、仮想通貨の1つでもあるイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンであり、チェーン上での取引契約なども可能です。

ブロックチェーンを使うと、高速でしかも安全にデータをやりとりできます。さらに、今まではインターネット上でのみ可能だった経済活動を、現実世界と結びつけることもできるようになります。その可能性の1つがNFTです。

メタバースとNFT

NFT(非代替性トークン)は、ブロックチェーン上のデータに価値を持たせる仕組みで、デジタルアート作家の作品や、各種プロスポーツのスーパーショット・コレクションなどで注目されるようになりました。

こうしたデータをNFTとして登録し、著作権のようにオリジナル作品を購入者に帰属させることで、オークションのように売買することが可能になるのです。つまりNFTにより、デジタルデータが資産価値を持つようになるわけです。

NFTは高額な美術作品から、数百円程度で購入できるポップアイテムまで、現在多くの種類がさまざまな分野で登場しています。NFTはメタバースの中で購入できる上、ゲーム用アイテムなども含めてブロックチェーンに統合することにより、メタバース間での売買が可能になります。

こうした売買には仮想通貨が使われます。しかし、仮想通貨は現実世界の法定通貨と交換できるため、間接的にメタバースと現実世界の融合が実現するのです。これらのシステム全体が、ブロックチェーンによって結びつけられています。

メタバースのビジネス利用

メタバース関連の市場は、今後数年で1兆ドル(約115兆円)規模にまで拡大すると予測されています。最近ではFacebookやMicrosoftなども、メタバース関連事業に乗り出しました。Facebookは社名を「Meta(メタ)」に変更するほど力を入れています。

今後は多種多様な経済活動がメタバースを通して行われるようになり、多くの企業が対応を迫られることになるでしょう。現在メタバースのユーザーは、ゲームでの利用を中心にしています。しかし、これからビジネス界への進出が加速するはずです。

まずNFTに関しては、メタバース内の土地や美術品として購入でき、それが現実世界でも資産価値を持つようになると考えられます。さらにブロックチェーン技術は、セキュリティ対策にも極めて優れているため、現実世界での契約や売買などの活動が、メタバース内で行われるようになるかもしれません。いずれにしても、ここ数年の内にメタバースが大きなビジネスチャンスを生み出すことになるでしょう。

まとめ

私たちの住む社会と仮想現実空間が融合するとは、まるでSF映画の世界のようですが、インターネットの環境はもうそこまで来ています。2021年はメタバースやNFTなど、インターネット上で新しいシステムが成長を遂げた年でもありました。

実際にメタバースの中に存在するものが、現実社会でも価値を持ちはじめていることは、やがて多くの企業がメタバース内で、本格的にビジネスをスタートさせるきっかけにもなるでしょう。メタバースの広がりは、これからが本番だと言えそうです。