高級日本酒“獺祭(だっさい)”で有名な旭酒造が、初任給を21万円から30万円へ 9万円上げたことが大きな話題となりました。
また、玩具メーカーのバンダイやゲームメーカーのカプコンなどの有名企業も初任給をアップしています。

では、2022年入社の新入社員の平均初任給は、どのくらいだったのでしょうか。

2022年4月に入社した新入社員の初任給平均額は23万6千円

Job総研を運営する「株式会社ライボ」が実施した「2022年初任給実態調査」*によると、2022年4月に入社した新入社員の初任給の平均額は23万6千円で、ここ20年間、ほぼ横ばい状態が続いています。

そもそも日本の賃金が、20年以上も上がらずに低空飛行を続けているわけですから、初任給だけを上げるわけにもいかないでしょう。しかし、超高齢社会となった日本の人手不足は深刻で、新卒者の争奪戦が激化しています。

就活生は、できるだけ給与や待遇面で好条件を提示する企業を就職先として選ぶことになりますが、なかでも「給与額を重視」するのは約8割にものぼります。優秀な若手を獲得するためには、もはや給与アップは欠かせない要素といえるでしょう。

職種と首都圏・地方での賃金格差

就職先を決める重要ポイントが初任給となることは、疑いようのない事実ですが、業界・業種や地域によっても大きく違います。

「令和元年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、初任給が高いのは学術研究・専門・技術・サービス業の22万700円で、もっとも低い複合サービス業の17万3,100円とは、4万7,600円の開きがあります。

また、地域による違いもあります。初任給の高い地域は東京都の22万500円、千葉県の21万1,700円、神奈川県の21万800円がトップ3で、大企業が多い関東や近畿などの首都圏の平均初任給は20万円以上となっています。

一方、初任給が低いのは沖縄県の17万5千円、宮崎県の18万8千円、鳥取県の19万1,200円で、首都圏以外の地方で平均初任給20万円を超える企業はほとんどないことがわかります。

生活するうえでは首都圏と地方のどちらが得か?

給与額だけで就職先を選ぶなら、首都圏の大手企業や専門性のある職種を選択することが得策です。でも、首都圏で生活するとなると、家賃も高く、給与額に応じて社会保険料や住民税、所得税の負担も増えることになります。

一般的に、求人票などに記載されている初任給から20%ほど引かれて、手元に残るのは80%ほどとされています。給与額は、給与算出の基本となる基本給と、通勤手当や住宅手当などの各種手当の合計ですが、社会保険料や住民税は給与額によって変わるため、給与が多い地域と少ない地域で納める額は変わります。

つまり、生活全般を考えれば、首都圏の大手企業に就職して高い賃金を得て、高い家賃を払い、所得税や住民税、社会保険料を多く納めるか、それとも地方の企業で低い賃金ながらも生活費を低く抑えて生活するか、どっちが得かよく考えることも大切です。

男女間の賃金格差は過去最少に

人材確保に悪戦苦闘している地方の企業は、地方で暮らすことでのワークライフバランスなどのメリットを強くアピールできれば、就活生の企業選びのポイントも変わってくるかもしれません。

賃金は、学歴や資格の有無、地方、業界によって違いますが、もう一つが男女による賃金格差です。2022年4月入社の初任給平均額は23万6千円ですが、男性の24万2千円に対して、女性は22万3千円と1万9千円も低くなっています。

これでも、男女間の賃金格差は過去最少ということですが、政府は、301人以上を常時雇用する企業に、男女の賃金差の開示を義務付ける方針を固めました。今後は、男女の賃金格差がないことも、就職先の選択に影響を与えることになりそうです。

まとめ

初任給は給料や手当の指標にもなるため、就職先を決める重要ポイントです。しかし、ワークライフバランスの向上という観点では、必ずしも初任給額にこだわることがベストな選択とはいえない時代かもしれません。