新しい働き方として注目されているリモートワークだが、その課題の一つと指摘されているのが、コミュニケーションの難しさである。その原因とされているのは、対面でのコミュニケーションと比べ細かなニュアンスなどがリモートでは伝わりにくいということのようだ。


ところが、一般社団日本ハラスメントリスク管理協会が「職場のストレス対応力調査2020」*の回答を、年代別と働き方別で分析した結果、リモートワーク中心の働き方をしている人ほど、問題解決や業務推進など“考える仕事”で、ポジティブな傾向が高いことがわかった。


とくにポジティブ傾向が高かったのは、「自己効力感」や「やりきる意欲」、「適応力・回復力」、「リスクに応じた楽観的姿勢」の4項目である。


米経営学者のフレッド・ルーサンス提唱の「サイコロジカル・キャピタル」によれば、この4項目が高いということは、社員が「イキイキとして新しいことに挑戦するエネルギーに満ちている状態」であり、ポジティブ傾向の社員が多い企業の業績にも“好影響を与える”ということのようだ。


「職場のストレス対応テスト」は、そのサイコロジカル・キャピタルの4項目「Hope(希望)、Efficacy(自己効力感)、Resilience(レジリエンス)、Optimism(楽観性)」を参考に設問を作成したものだが、その4項目で働き方による違いが出ていることがみえてきた。


コロナ禍で、リモートワークの導入が急速に進んだこともあり、コミュニケーション不足や人材育成、勤怠管理、評価基準などの課題も数多く浮上するなど、リアルとは違うリモートならではの難しさに直面した管理部門担当者も多いのではないだろうか。


コロナの感染状況が落ち着きをみせたことで、出社勤務に戻す動きが加速しているが、せっかく浸透しつつあったリモートワークなどの新しい働き方による効果について、見直す必要もあるのではないだろうか。


日本企業の課題とされているのが生産性の向上だ。そのカギとなるのは社員のやる気や、仕事に対する満足度をアップさせることだろう。


その課題解決や業務推進などを“考える仕事”で、リモートワーカーの方が出社勤務者よりもポジティブな傾向が高いとする調査結果は、これから社内制度を設計する上でも大いに参考になりそうだ。

【調査概要】
 調査方法:一般社団日本ハラスメントリスク管理協会監修
      「職場のストレス対応力調査2022」回答者
 調査期間:2022年7月〜10月
 サンプル数:365名


■参考URL
職場のストレス対応力調査