配属ガチャとは?

ガチャとは、「ガチャガチャ」や「ガチャポン」を略した言葉で、レバーを回してカプセルに入った玩具を買える自販機のことです。どんな玩具が入ったカプセルが出てくるかは完全に運任せであるため、近年では自分では決定できず、受け入れるしかない状況のことを揶揄して「〇〇ガチャ」と呼ぶ風潮があります。たとえば「親ガチャ」や「才能ガチャ」などがその一例です。


そんな中、最近のビジネス界では「配属ガチャ」との言葉がよく聞かれるようになっています。どのような意味なのか、少し深掘りしてみましょう。

目次本記事の内容

配属ガチャとは?

配属ガチャとは、新卒で入社した社員が、勤務地や職種への配属が必ずしも自分の希望通りにはならない状況を、「ガチャ」に例えた造語です。


企業・経営者側からすれば、人事部が各部と検討を重ね、適性や将来性を踏まえて配属先を決めるので、ガチャのような運任せといわれるのは心外と感じるかもしれません。しかし当の新入社員の視点に立つと、辞令が出ない限り配属先がわからない上に、辞令には原則拒否できず一方的に受け入れるしかありません。こうした一種の理不尽とも思える状況のことを、配属ガチャと呼ばれているわけです。


そして玩具のガチャと同じく、配属ガチャにも「アタリ」と「ハズレ」があります。入社前に思い描いていた通りの配属先であればアタリ、そうでない場合はハズレです。その判断基準としては、主に以下の点が挙げられます。


希望の部署かどうか

営業、マーケティング、開発、人事、経理、法務など企業には多様な部署があります。入社前に出していた希望配属先の通りに配属されるかどうかは、配属ガチャのアタリ、ハズレを判断する上での最も大きな基準です。


商品開発部で新商品の考案に携わりたいと思っていたのに営業部に配属されたり、法務部で法律の専門家を目指そうとしていたのに経理部に配属されたりすればハズレとなります。


上司・先輩が人格者かどうか

上司・先輩の人格の良し悪しも重要ポイントで、配属ガチャの下位概念として「上司ガチャ」や「先輩ガチャ」とも呼ばれます。配属先の上司・先輩に人格者がいて、日常業務はもちろん社会人としてのイロハを丁寧に教育・指導をしてくれるならアタリです。


一方、上司・先輩の性格が悪かったり、教育・指導に力を入れていなかったりすればハズレといえます。


働きやすさの度合い(残業の程度、育児・介護休業の取得のしやすさなど)

日本では働き方改革が国を挙げて進められているので、かつてほど残業が求められることはなくなりつつあります。


しかし少子高齢化が進む中、日本企業は全体的に人手不足の傾向が進みつつあるのが現状です。職場に人手が足りなければ、どうしても一人当たりに任せられる業務量が増え、結果として残業をせざるを得ない状況も生じてきます。そのような職場に配属されると、ガチャとしてはハズレです。


また、育児・介護などを理由とした休業への対応力がどの程度かも、ガチャ要素に入ります。組織としてそのような申し出に対して、どの程度寛容なのかは配属先の慣習等によっても変わってくるので、新入社員の側からすると「運」です。法制度上、育児・介護休業の申し出があれば企業側は必ず受け入れる必要がありますが、申請を気軽にできる雰囲気があるかどうかは職場によって変わってきます。

企業にとって配属ガチャの最大のデメリットは「早期退職のリスク増」

「配属ガチャのハズレ」によって生じるデメリットは、新入社員側だけに生じているかのようにも見えますが、実際には企業側にも大きな損失を与えます。というのも、配属ガチャの存在は、そのまま新入社員の早期退職のリスクを生じさせるからです。


実際、4月1日に入社日を迎えて配属先が発表されたものの、自分の希望が一切考慮されていないという理由でスピード離職を決断する新入社員もいます。本人に代わって退職届を企業に出す「退職代行サービス」においても、新卒新入社員が4月中に退職を申し出るケースが多数あるのです。


新入社員に早々に退職されると、企業側にとっては大きな損失です。内定から入社日までにかけた教育・研修コストが無駄になり、何よりも将来性のある若い社員を失うことになります。とくに人手不足が続く業界・中小企業では、新入社員の早期退職のリスクは少しでも減らす必要があるでしょう。

配属ガチャが起こってしまう企業側の要因とその対策

配属ガチャはいい換えると、「入社前に思い描いていた働き方とは異なる」と感じる新入社員の不満そのものです。このような事態が起こってしまう企業側の要因としては、以下の点を挙げられます。


企業側が一方的にキャリアパスを決めている

日本企業では「総合職」という形で、新卒を大量採用することも多いです。この場合、その名の通り職種ごとの採用ではなく、「とりあえず採用し、企業側で配属先を決めていろいろな部署で経験をしてもらい、適性を見極めた上でキャリアを積んでもらう」といった採用となります。


しかし、やりたい仕事や理想とする働き方を明確にイメージしている新入社員もいます。その場合、本人の希望に合わない配属先に決まった時点で配属ガチャのハズレとなり、失望につながってしまうのです。


こうした状況を解消する1つの方法として、ジョブ型採用の導入が挙げられるでしょう。仕事内容に合わせた採用方法をとれば、配属ガチャに一喜一憂する事態はなくなります。あるいは、企業側が決めたキャリアパスに適用しやすいように、入社後のサポート・フォロー体制をより充実化するなどの方法も考えられます。


配属先を伝えるのが遅い

実態として日本企業の採用行動は、採用内定の通知時はもちろん、内定式においても配属先は伝えず、正式な入社日を迎えてから伝えるのが通例です。この「内定が決まっても入社日を迎えるまで配属先がわからない」との状況が、配属ガチャの状況を生み出しているといえます。


この場合、企業側が入社志望者の配属先を検討した上で採用を決定し、内定の段階で配属先の決定・発表をすると、配属ガチャの解消につながります。内定者は自分の希望に合っているかどうかを吟味した上で、入社するかどうかの決定が可能です。企業側としては、内定辞退のリスクを高めることになりますが、採用してから早期退職されるよりも無駄になるコストは小さいでしょう。

まとめ

新卒新入社員にとって、企業側が一方的に配属先を決定する状況は、自分に選ぶ決定権がない「ガチャガチャ」「ガチャポン」と同じです。配属ガチャと聞くと、いかにも若者言葉で軽い言葉にも聞こえます。しかし、そこから生み出される「新卒新入社員の早期退職のリスク増」という事態は、企業にとっては軽視できません。配属ガチャがもたらす新卒新入社員への不安・ストレスを解消するように努めることは、人材を確保し育てるとの観点からも重要といえるでしょう。



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