障害者雇用制度の変更点と企業が対応するべきポイント

現在、政府は継続して障害者の雇用機会拡大を進めており、改正した障害者雇用促進法を段階的に施行しています。2024年から2026年にかけても新しいルールの適用があり、人材を採用する企業側にも適切な対応が求められます。
では今後どのような点が変わるのか、障害者雇用制度の変更点と企業が対応するべきポイントを、大きく2つに分けて解説します。

目次本記事の内容

障害者雇用の現状

厚生労働省が2023年12月に公開した2023年6月1日時点の障害者雇用状況に関する資料によると、民間企業と公的機関ともに雇用障害者数と雇用率は増加しています。民間企業ではおよそ64万人の障害者が働いており、雇用率は2.33%とかろうじて法定雇用率を上回っています。ただし法定雇用率を達成している企業は、全体の50.1%にとどまる状況です。


一方で、公的機関では約7万3千人が雇用されており、雇用率は国や自治体ごとに異なるものの、2.34〜2.96%の間にあり、ほぼ法定雇用率を達成しています。全体的には少しずつですが、障害者雇用は拡大しているといえるでしょう。

障害者雇用率の引き上げ

障害者雇用率は段階的に引き上げられることが決まっています。まず2.3%だった法定雇用率は、2024年4月1日から2.5%に引き上げられました。同時に常勤従業員が40人以上の企業は、1人以上の障害者を雇用することが義務づけられました。2026年4月1日からは、法定雇用率が2.7%にまで引き上げられる予定です。


企業は積極的に障害者雇用を進めることを求められており、障害者雇用納付金制度によって、2.5%の雇用率未達成の企業(従業員100人以上)は、不足する障害者1人あたり月額5万円を納付しなければなりません。


一方、障害者の雇用に積極的な企業は、特定求職者雇用開発助成金や障害者トライアル雇用助成金などの支援を受けられます。ほかにも、雇用管理に関する相談・援助制度や助成金が創設される予定です。


企業は雇用率アップを進めると同時に、障害者に対する差別を排除して、すべての労働者が等しく働ける労働環境を整備しなければなりません。そのためには社内規定や、労働条件の見直しが必要になるかもしれません。

障害者雇用除外率の引き下げ

もう1つの変更点も、障害者の雇用率アップの促進が目的です。現在法定雇用率は一律2.5%ではなく、職種によって段階的な除外率を設けています。除外率は障害者の就業難易度を考慮して、11段階が設定されています。


除外率とは、障害者の雇用人数を計算する場合に、一定の割合の人数を控除できる制度です。たとえば、従業員が100人で除外率が20%だとすると、「100×20%」の人数を100人から除外できます。この場合80人を基数にして、法定雇用率の2.5%を掛けることになり、雇用する障害者は2人に決まります。


2025年4月1日からは除外率が一律10%引き下げられ、5〜70%の11段階に変更されます。除外率が下がることにより、企業はこれまでよりも多くの障害者を受け入れることになるのです。

まとめ

今後も障害者雇用促進法をもとに、社会全体で障害者の雇用機会アップが図られることになるでしょう。企業も障害者雇用を前提に、働きやすい職場環境を整備することが求められます。


もしも制度に関して悩むことがあれば、ハローワークや高齢・障害・求職者雇用支援機構などに相談してください。助成金制度やその他の支援制度についても、まずは相談してみることをおすすめします。


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