(Photo By Reuters)

三菱電機<6503>は子会社の米ICONICSを通じて、シーケンサなど工場自動化(FA)機器による生産現場の監視制御やデータ収集ソフトを手がける英ICONICS UK(英ダドリー都市特別区、従業員56人)を買収すると発表した。買収額は非公表。

ITシステムのコストダウンを狙う

ICONICS UKが持つクラウドアプリケーション開発技術やノウハウを獲得して製造現場の装置・システムの最適化を図り、FA領域の循環型デジタル・エンジニアリング事業モデルを確立するのが狙い。これによりコンピュータシステムの導入、維持・管理などにかかるコストを削減できるという。

ICONICS UK社は、独自にSaaS(サービスとしてのソフトウェア)事業を展開しており、これらの技術やノウハウを獲得し、三菱電気のクラウドアプリケーション開発力にも役立てる。

三菱電機は、今回の買収に先立って2019年に米ICONICS(米マサチューセッツ州フォックスボロ、従業員170人)を100%子会社化しており、今回の買収でICONICS社のグローバルでのソフトウエア開発体制を強化する。

三菱電機は2023年2月に米国での無停電電源装置(UPS)の事業拡大を狙って米Computer Protection Technology, Inc(カリフォルニア州サンディエゴ)を、4月には同社代理店として昇降機の販売・据付・保守を手がけてきたノルウェーのUNIHEIS社(オスロ市)を、それぞれ完全子会社化するなど、海外企業のM&Aを積極的に進めている。

文:M&A Online