破産開始決定を受けたタピオカドリンク店運営のプレディクト(同社ホームページより)

2度もヒットを飛ばしたものの、「終わり」はあっけなかった。若者からの絶大な人気を誇ったタピオカドリンク店運営のプレディクト(東京都港区)が11月21日、東京地裁から破産開始決定を受けたのだ。2004年に創業、祖業のプライベートジム運営から飲食店へ業種を転換。2017年11月に台湾のタピオカミルクティー専門店「Chatime」を東京・銀座でオープンし、若い女性客から高い支持を受けて「タピオカブーム」の牽引役となった。

タピオカ、プレッツェルとブームに乗ったプレディクト

東京商工リサーチによれば、一時は関東で10店舗以上を展開。2020年10月期には約3億4800万円の売上があったという。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で来店客が減少したのに加え、タピオカブームが終わり、2022年10月末までに全店舗を閉店していた。

実は同社の子会社に、米国発のプレッツェルチェーン店「アンティ・アンズ」を運営するプレッツェルジャパンがあった。「アンティ・アンズ」は2000年に横浜市に初出店したものの、まもなく撤退。2010年に「クリスピー・クリーム・ドーナツ」などの日本進出を実現した運営支援会社リヴァンプが出資して東京・池袋に「再上陸」した。

「アンティ・アンズ」は2015年3月末に100店舗体制を目指し、2014年には北海道から九州まで全国約30店舗を展開していたという。2015年12月まではリヴァンプ出身の小松俊介氏(現アルヒ執行役員兼アルヒRPAソリューションズ社長)が社長を務めていたが、その後はプレディクト社長の轉(うたた)充宏氏が社長を兼任した。


「第3の矢」が見つからず経営破綻に

プレッツェルブームが下火になると不採算店を整理し、2017年末には20店舗まで減少した。集客力があるショッピングモールとの出店契約更新もままならず、2019年には「富士急ハイランド店」だけになる。2020年に同店も閉店し、2度目の撤退となった。

ブームが去り、閉店ラッシュとなった「アンティ・アンズ」
ブームが去り、閉店ラッシュとなった「アンティ・アンズ」(同社ホームページより)

プレディクトは残るタピオカミルク専門店の「Chatime」やいちごスイーツの「StrawBerry Labo」などで生き残りを図ったが、またもブームの終焉で経営が行き詰まる。同社はブームが終わったプレッツェルからタピオカミルクに乗り換えて一旦は成功したが、ついに「第3の矢」は見つからなかった。

同社は不幸にもコロナ禍に巻き込まれ、新たなブームを引き起こす食材を見つける余裕がなかったのだろう。コロナ禍で逆に「宅食化」の恩恵を受けた高級生食パンですらブームが終わり、苦戦が伝えられる。

「食」の世界に限らないが、ブームに乗ればあっという間に成長できる半面、ブームが去れば業績悪化も急だ。ブームに乗った成長が大きければ大きいほど身動きが取れず、破綻も早い。ブームに乗っているうちに異業種進出を含む「次の手」がスタートしていないと、経営の安定は望めないようだ。

文:M&A Online編集部

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