毎日の朝食や食卓に欠かせない身近なものから、リッチな高級系まで出揃っていて、最近ますます「食パン」が面白くなっています。東京のパン屋さんのなかでもコレ! と、おと週取材班が太鼓判を押す逸品を、厳選してご紹介。おすすめの食べ方も掲載です!

『BEAVER BREAD』@東日本橋

本能を刺激する香りと食感 旨さの進化が止まらない!

DSC_6601(H)_1617863322 パン・ド・ミ(1本800円)
小麦粉は農家を口説いて仕入れているというキタノカオリにはるきらりを配合し、もちもちし過ぎないバランスに。食パン1本は1日で食べきれないこともあると想像して3日後も美味しい味を追求 DSC_6610(H)_1617863465 ・ 焼き上がり時間:8時頃、12時前後、15時頃
・ おすすめの食べ方:まずそのまま。厚めにトーストしてバターも王道 店主が名店出身云々の難しい話は抜きにして、まずはこの芳しき食パンを本能の赴くまま味わって。

ブラウンに輝く耳はサクッと歯切れ良く、生地は真綿のようにふわふわしっとり。噛み締めれば小麦の香りがほわんと鼻腔を駆け抜けて……恍惚。

見事なまでの食感と風味を実現させたのは厳選した材料の配合だ。小麦粉は北海道産キタノカオリなどをブレンド。
適度な粉感を残しつつ、もっちりミルキー、かつ日持ちする旨さが理想とか。そのため開業1年半で6回もレシピを変えたそう。

さすがにもう完成形? いやいや店主の割田さん、何やら見直しを検討中。通わねばなるまい! DSC_6578(H)_1617863526 山食(380円)
ミニサイズの山食は蜂蜜入りでほんのり甘い。パンは約80種 DSC_6517(H)_1617863561 店内にはパンがズラリ 店主の割田さんは銀座『ブーランジェリーレカン』でシェフを務めて独立。 e7b99275e8b531308fedbcdf396b8b76 店主 割田健一さん [住所]東京都中央区東日本橋3‒4‒3
[電話]03-6661-7145
[営業時間]8時~19時(土・日・祝は18時まで)
[休日]月・火
[交通]都営浅草線ほか東日本橋駅B4出口から徒歩3分、都営新宿線馬喰横山駅A2出口から徒歩1分 DSC_6511(H)_1617863780 角地にあり、わかりやすい

『GURU GURU BAKERY』@千鳥町

ひたむきにパンと向き合う店主の姿勢が幸せの味を生む

1906-3882_1617863895 山食パン(1斤280円・写真は3斤分)
皮はパリッと中しっとり。生地は国産小麦粉「春よ恋」をベースに配合。自家製ホップ種で発酵させ、ボリューム感のある仕上がりに。年配客のファンが多い 1906-3897_1617863940 ・ 焼き上がり時間:11時頃
・ おすすめの食べ方:しっかりトーストして上質なバターを乗せて 正直、何の変哲もない街の小さなパン屋さん。なのに絶え間なく客が詰めかける。なぜ? 理由は明快。技も質もサービスも、そのすべてが一流だから。

食パンは常時5種ほどが並び、中でもこんもり膨らんだ凛々しい山食はコアなファンも多い定番だ。ご覧の写真、豪快に割ればパリッと音が聞こえてきそうじゃないですか? その通り。

通常より長めに焼き上げた耳の何と香ばしいこと! 米麹を培養した自家製ホップ種を長時間低温発酵させることで、独特の風味と質感に仕上がるという。

これまたトーストすると驚くほどサックリ。味わえばきっとアナタも熱烈ファンの仲間入り! 1906-3894_1617864035 ミルク食パン(1斤300円・写真は2斤分)
もうひとつの定番食パン。生クリームと練乳を練り込んでおり、甘みが程良くソフトな食感 1906-3865_1617864049 ショーケースに並ぶパンを見るとついつい迷ってしまう 店主の平田さんは脱サラ後、製菓学校で学んでパンの世界へ。『ビゴの店鷺沼』、恵比寿の『ジョエル・ロブション』などで経験を積んだ。 d07c0156f973dfe3120f03a4c2286cdb 店主 平田亮さん [住所]東京都大田区千鳥1-3-8
[電話]03-6410-5962
[営業時間]7時~19時
[休日]月・火
[交通]東急池上線千鳥町駅から徒歩1分 1906-3862_1617864195 青い看板が目を引く

『VIKING BAKERY F』@乃木坂

素材の旨みを引き出した10種10様のこだわり食パン

1906-3909_1617864426 左から オリーブ×オリーブオイル(460円)・ほうじ茶×ホワイトチョコ(500円)・プレーン1本(2斤サイズ850円)・ハニー×レモン(500円)・竹炭×ドライトマト(520円) 1906-3924_1617864473 プレーン・ 焼き上がり時間:8時、9時、10時半、12時、13時
    ・ おすすめの食べ方:当日はそのまま。トーストやサンドイッチにも 究極のサンドイッチを作りたい。出発はそこだった。

国内外を食べ歩き、痛感したのが最初に口に当たるパンの味の大切さ。ならば研究しようと試行錯誤で開店させたのがこの食パン専門店だ。

劇場がテーマのこの店は厨房が丸見えで、パン作りの工程は舞台を見るかのよう。主役は10種。すべて無添加で、看板役者の「プレーン」はカナダ産一等粉と国産石臼挽き粉を使い、香りと旨みを引き出す。具を挟んでも味を邪魔せず、でも負けない力強さを演出。

「ほうじ茶×ホワイトチョコ」は茶葉の苦みとチョコの甘みがバランスいい味。竹炭を練り込んだ個性派もあり、選ぶのも楽しい。手土産にも最適だ。さあ、劇場へ向かおう。 1906-3904_1617864608 焼き上がったパンは次々と店内の棚へ 6a3de4491db16bf3c7ea368b69e4efb2 マネージャー 大川沙織さん [住所]東京都港区南青山1-23-10 1階
[電話]03-6455-5977
[営業時間]8時~20時
[休日]年末年始
[交通]地下鉄千代田線乃木坂駅5番出口から徒歩2分 1906-3903_1617934390 オシャレな店内

『KUKULI』@田園調布

いつもの毎日を豊かにする ヘルシーで美味しい食パン専門店

DSC_0465(H)_1617865504 左:KUKULIキューブ(650円・ハーフ330円) 右:KUKULI(600円・ハーフ300円)
どちらも北海道産小麦粉2 種を配合。「KUKULI」はバゲットをイメージし、あえて断面の気泡が大きくなるよう仕上げている。生クリームと発酵バターを練り込んだ「キューブ」は風味豊かでしっとり DSC_0645(H)_1617865538 ・ 焼き上がり時間:13時~13時半頃
・ おすすめの食べ方:そのままはもちろん、シンプルにトーストで 食パンは日常の食を支えるもの。毎日食べても飽きず、体に優しい方がいい。そんなヘルスブレッドを追求するのが店主の南部さん。

「自家製天然酵母を使いつつも酸味をコントロールし、小麦の繊細な味を大事にしています。食品廃棄は一切せず過剰包装をしないのもポリシーです」。
無添加で、国産小麦を中心に材料にトコトンこだわっている。

定番のひとつ、山食「KUKULI」は口どけも良くシンプル。角食「キューブ」はほのかな甘みでリッチ。どちらも日々の食を豊かにする上質な味だ。 DSC_0497(H)_1617865714 ミエル(1200円・ハーフ600円)
蜂蜜と松の実がたっぷり入り、もっちりした食感 91445fc47539510adaf05e1aaa4b5098 店主 南部弘樹さん [住所]東京都大田区田園調布2-51-7
[電話]03-6362-8845
[営業時間]10時~19時(日・祝は18時まで、パンが無くなり次第終了)
[休日]不定休
[交通]東急東横線ほか田園調布駅東口から徒歩1分 DSC_0426(H)_1617865890 白を貴重とした洗練された外観

『新橋ベーカリー プラスカフェ』@赤羽橋

安定感抜群のクオリティ 老舗パン屋の底力に感服

1906-3933_1617865979 北海道小麦のプレミアム食パン(1本660円・1/2本340円)
国産小麦にこだわって数年前に開発。自家製酵母を使用。そのままだともちもちでしっとり。トーストすると表面サクッと中はふかふか。1本は1.5斤分 1906-3946_1617866013 ・ 焼き上がり時間:9時半~10時、15時半頃
・ おすすめの食べ方:3㎝ほどの厚めにスライスして軽くトースト 生地のきめ細やかさは天下一品。改めて老舗の圧倒的実力にひれ伏してしまった。

プレミアム食パンは滑らかな口当たりがまさに極上で、北海道産の小麦粉とバター、生クリームに蜂蜜が入り、湯種も加えてもちもち感アップ。軽やかな甘みが体に馴染む。ううむ、旨い。

実は創業から約70年、卸売も続けている。あの高級ホテルや洋食店もここのパン。時代に合わせて商品は増えたが「一番いい粉を使えという初代の教えを守ってます」と3代目。

時を超えても安定の旨さがここに。涙。 1906-3941_1617866085 くるみ食パン(1本450円・1/2本230円)
丸型の生地にクルミがザクザク入って香ばしい。店はカフェも併設していて、ランチメニューなども人気 11dc636c6724dce2685527fb5a29f830 3代目社長 鈴木裕介さん [住所]東京都港区三田1-3-28
[電話]03-3454-5343
[営業時間]7時半~18時半、土8時~17時
[休日]日・祝
[交通]都営大江戸線赤羽橋駅赤羽橋口から徒歩2分 1906-3928_1617866248 町のパン屋さんの装いにホッとする

ライター・肥田木&編集・和賀の食パントーク!

和賀「食パン一斤丸ごと完食する奈々さん。調査どうだった?」

肥田木「焼きたてを買って店を出るや路上でかぶりつく毎日。道行く人に相当変な目で見られたよ。その分、実力店を紹介できた」

和賀「原稿内容も恍惚となったり涙したりアツかったね(笑)」

肥田木「流行りの高級食パンも調査したけど、今回の掲載は街のパン屋さんが主流になったね。でもすごいなあ、最近のブーム」

和賀「高級系は2013年に大阪で創業した『乃が美』が火付け役と言われるけど、東京も『セントルザ・ベーカリー銀座店』が同年の開業だからその頃からじわじわキテたと言えるね」

肥田木「昔から浅草の『ペリカン』とか好きだったけど、これだけ食パン自体が注目されると偏愛してた自分のアイドルが世に出てみんなの物になっちゃったような複雑な気分。わかる?」

和賀「NO(笑)。ところで高級系って甘めの味が多くない?」

肥田木「確かに。池袋『N』の食べたけど、もはやスフレケーキ」

和賀「それに“生”食パンと謳う店も多くて、トーストせずそのまま食べるのが流行り。生食って給食パン思い出すし(笑)、ふわふわ系は食事パンと思えずブームについていけないのよね」

肥田木「“耳まで柔らかい”も最近の特徴のひとつだけど、食パンLOVEの私からすると耳は柔らかくなくていいの。歯切れよく香ばしいのが理想なのよ」

和賀「分かる。実は盛岡『横澤パン』のが私の好きな代表例。今回の掲載では『グルグルベーカリー』が良かった。写真は載せてないけど『朝食パン』も試してほしいな。耳が香ばしく生地の密度もあり噛むほどに旨い」

肥田木「私は『ビーバーブレッド』の香り豊かな焼きたてを食べた時気絶した(笑)。それと『新橋ベーカリー』もふかふかで弾力あって、もう枕にして寝たい」

和賀「はは。奈々さんって美味しいパン屋に詳しいオジサマがいたらコロッといきそう」

肥田木「いく。高級スイーツを知ってる男より俄然センス良し」

和賀「手土産とかで食事やワインに合うパンを持ってきてくれる男性って気が利いてていい。ワインも持参ならもっと褒める(笑)」

肥田木「同感。パンとワイン待ってまーす」 撮影/西崎進也、貝塚隆 取材/肥田木奈々
※店のデータは、2019年6月号発売時点の情報です。