大阪の天王寺動物園で飼育されていたキーウィの「ジュン」が、5日朝死にました。42歳でした。

天王寺動物園によりますと、オスのキーウィ「ジュン」は1982年(昭和57年)1月に誕生。生後半年の同年7月に、天王寺動物園にひな3羽で来園しました。

その際、世界で50羽しか飼育されていないという珍鳥として、贈呈式が行なわれ、園児らに囲まれ、小さな体をなでられていました。

キーウィの寿命は、一般的には20年、飼育下では40年ほどとされていて、42歳になった「ジュン」は、相当の高齢(人間で言えば100歳を超えるほど)ではないか、ということです。

今年6月から体重が落ちてきたため流動食を食べながら、死の2日前まで来園客の前にその姿を見せていました。

きのう(4日)朝、起立困難となって、投薬やブドウ糖経口投与など獣医師による処置が施されましたが、きょう午前8時50分に死にました。

死因は調査中ですが、園によると外傷がなく、感染症でもないということです。

国内で、キーウィを飼育しているのは大阪の天王寺動物園だけということで、「ジュン」が死に、国内で飼育されているのは1988年生まれのメスの「プクヌイ」1羽のみとなります。


《キーウィ》

ニュージーランドの国鳥。絶滅危惧種で個体数は減少傾向にあります。亜熱帯や温帯の密林を好む。名前は鳴き声に由来します。翼は退化して飛べず、視力は弱いですが、嗅覚が非常に発達している鳥です。

鼻孔は嘴の先端近くにあり、餌を探すのに役立ちます。無脊椎動物を主食とします。