男性鉄道オタクの現実

 オタクは市民権を得て、もはや隠すものではなくなった。女性の場合、漫画やアニメ、ゲームといった“サブカル趣味”をアピールするほうが人気が出るほどだ。

 しかし、すべてのオタクが恋愛市場で輝いているわけではない。大変申し訳ないが、男性の鉄道オタクは

「壊滅的」

にモテない。なお、女性の鉄道オタクは問題ではない。鉄道オタクは圧倒的に男性が多いので、女性が鉄道オタクなら申し込みが殺到する。

 しかし、長年、恋愛婚活コンサルタントを務め、大手結婚相談所や行政機関で婚活セミナー講師を行ってきた私(菊乃)から見ると、男性の鉄道オタクは恋活・婚活市場において

「需要がない」

のである。

 というわけで、本稿では「壊滅的にモテない」「恋活・婚活市場において需要がない」理由を真面目に考えてみる。

恋愛中の男女イメージ(画像:写真AC)

需要がない理由

 多くの趣味は男女比がどちらかに偏っている。筋トレやサウナも男性に多いが、サウナにも行かず筋トレもしない女性でも、それが趣味だという男性にマイナスな印象は持たない(プラスでもないが)。

 ただ、サウナや筋トレと違って、鉄道オタクはマイナスになりやすいのだ。

「一部のマナーの悪い鉄道オタク」

のせいで、残念ながら鉄道オタクには悪いイメージがある。「プラスでもマイナスでもない」という人も多いが、鉄道オタクをプラスに評価する女性はレアなので、付き合う前にあえて女性にアピールする必要はなく、鉄道趣味を

「布教」

してもいけない。多くの人にとって、鉄道は目的地への単なる“手段”である。くれぐれも、女性に

「鉄道が目的地」

という価値観への理解を期待しないようにしよう。

関東・関西在住の20〜30代の独身女性500人を対象に行われた「お金と恋愛・結婚観」の調査結果(画像:auじぶん銀行)

現在の出会い方は「条件検索型」

 合コンや職場恋愛であれば、会って話をして、お互いの性格や雰囲気をある程度把握した次の段階で、お互いの趣味を知ることだろう。そんな出会い方なら、鉄道オタクでも付き合って結婚する可能性は十分にある。現在主流の出会い方は、マッチングアプリや結婚相談所などの

「条件検索型」

の出会いだ。

・顔写真
・年齢
・居住地
・年収
・趣味

などが掲載され、比較される。鉄道オタクの男性の隣には、

「自分よりイケメンだったり、年収が高かったりする男性」

が並ぶ。マッチングアプリでいくら「いいね!」を送っても、女性から「いいね!」が返ってこなければ、メッセージのやり取りすらできない。

・カフェ巡り
・スイーツ好き
・旅行好き
・美術館巡り

などの趣味は、女性からすると“どんなデートができるかイメージできる”ので、プラスになりやすい。よほどのイケメンでない限り、鉄道やカメラといった、

「デートにつながらない趣味」

しか持たない男性を選ぶメリットはゼロである。

関東・関西在住の20〜30代の独身女性500人を対象に行われた「お金と恋愛・結婚観」の調査結果(画像:auじぶん銀行)

狭い興味範囲と頑なさ

 私は以前、結婚相談所で婚活用自己紹介文のセミナー講師をしていたことがある。そこで、鉄道オタクには、

・鉄道も好きな人
・鉄道だけが好きな人

の2種類がいることがわかった。ライトな鉄道マニアで、他に女性ウケする趣味を持っている人なら、他のアピールポイントを盛り込むことで自己紹介文が作りやすい。ただ、“鉄分”の多い人は興味関心の幅が狭く、

「鉄道とカメラ以外はほとんど書くことがない」

人が多い印象がある。休日に出掛けることが多くても、目的が鉄道なので他の観光はしない。

「鉄道旅行はいわゆる旅行ではないので、『旅行』とは書けない。一緒に鉄道旅行を楽しめる人と出会いたい」

とかたくなな人が多かった印象がある。

40代以下の全国の男女400人に対して行われた「恋愛テクニックの検索経験に関するアンケート」調査(画像:NEXER)

磨け雑談力

 あるとき、婚活に苦戦中の30代の男性がいた。会う女性すべてに断られ、「共通の趣味がないから会話が続かない。共通の趣味がある女性を探そう」と考えたそうだが、自分と同じ趣味のジャンルの女性はほとんどいない。

 私は、よく男性から「どんな話題をすればいいのか」という質問を受ける。あいにくだが、話題がないと思っている時点でコミュニケーション能力が低いと考えていただきたい。以下は、「話題が大事」だと思いがちな男性の会話例である。

男「趣味は何ですか」
女「ヨガです」
男「そうなんですね。好きな食べ物は何ですか」
女「パスタとかイタリアンが好きです」
男「そうなんですね。休みの日って何をしてますか」

まるで“面接”のような一問一答の会話をする男性は多い。相手がせっかく「ヨガ」と答えたのに、それに触れずスルーして次の話題に移るのはマナー違反」である。鉄道オタクも、このような一問一答の面接のような会話をするか、鉄道の話ばかりする。

 女性と盛り上がれる人に共通点があるとは限らない。女性が食いつきにくい鉄道趣味をやめようとはいわないが、女性とお付き合いするためには

「雑談力」

を磨いたほうがいい。

これからの鉄道オタクのイメージ(画像:写真AC)

「清潔」「清潔感」の差異

 ヨガに興味はなくても、エクササイズに関する知識は少しくらいあるだろう。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を心がけて、ヨガから話題を広げるようにしよう。

・When(いつ):「ヨガはいつからやっているのですか」
・Where(どこで):「ヨガはどこかで習っているのですか」
・Why(なぜ):「ヨガを始めたきっかけは何ですか」

このように、相手の答えを拾って広げよう。

 会話だけでなく、“外見力”も磨いてみよう。女性は清潔感のない服装を理由に男性を断ることが多い。しかし、女性との接点が少ない男性も、自分が清潔感を心がけていると思っている人が多い。

・清潔
・清潔感

は違う。風呂に入り、洗濯した服を着ていても清潔感があるとはいえない。髪型や服装が学生時代と同じだったり、服に毛玉やシワがあったり、眉毛がボサボサだったりしたら、清潔感はないのだ。

 さらにいうと、私の経験上、“鉄分”が高いほど清潔感がない傾向がある。毎月美容院に行き、美容院で髪を切り、眉毛をカットしてもらい、美容師から整髪料のつけ方を習う。女性とふたりきりで食事をしている男性を観察してみよう。

「ここまでする必要があるのか」

と思う人もいるかもしれない。ここまでできて初めて、女性からお付き合いを“検討する相手”としてカウントされるのだ。清潔感のない男性は、そもそも女性から

「可視化されていない」

のだ。マッチングアプリでは、話題を広げることや清潔感を保つことを「当たり前」と努力とさえ思わないライバルがいる。鉄道にかけるエネルギーを

「自分磨き」

にも注ぐようにして、頑張ってほしい。