元トラックドライバーの軽トラ愛

 軽トラック(以下、愛を込めて「軽トラ」と呼びたい)、それは日本の原風景であり、働く車の象徴だ。

 農家の新鮮野菜を市場へ運び、町工場の部品を配送し、建設現場に資材を届ける。日本の至るところで活躍するこの小さな車両は、日本の自動車技術の結晶でもある。

 軽トラは日本の産業を支え、人々の生活を豊かにする“小さな巨人”なのだ。筆者(島崎敢、心理学者)は元トラックドライバーで、大型トラックやトレーラーも乗りこなしてきたが、それでも車のなかで軽トラが

「最強に楽しい」

と思っている。コンパクトな車体でたくましく働く姿はまさに「やばい!」の一言。その愛らしさと力強さに心を打たれずにはいられない。

 本稿では、筆者が軽トラを「やばい!」と思うポイントについて、興奮のあまり支離滅裂気味に解説していく。一般の人には縁遠い存在かもしれないが、軽トラの魅力を知れば誰もがそのとりこになること必至だ。さあ、軽トラワールドの扉を開こう!

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント1「潔さ」

 軽トラは荷物を運ぶことに特化している。

・通勤
・家族旅行
・デート

にも使えて荷物が載ってラグジュアリー、という具合にたくさんのウサギを追いすぎたために中途半端になってしまっている他の車たちを尻目に、今日も軽トラは

「荷物を運ぶ」

というたったひとつの目的のためにひた走る。1本芯の通ったその究極の機能美からは、気高さすら感じる。

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント2「全開の快感」

 気軽にアクセルを全開にできるのも軽トラの魅力だ。

 高性能なスポーツカーを全開にしたら、あっという間にスピードの出しすぎで道交法違反になってしまう。しかし軽トラなら、全開でも大した速度が出ない。

 大したドライビングテクニックなどなくとも、

「車両性能の限界ギリギリを引き出して走る爽快感」

を味わえるのだ。車もドライバーも一体となって必死に加速する。その高揚感に病み付きにならずにいられない。

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント3「運転の手応え」

 小さくて軽い軽トラは、

・車の挙動
・路面の感覚

がダイレクトに伝わってくる。

アシスト機能満載の現代の車では感じられない、生の運転感覚だ。

・ハンドルから伝わる振動
・タイヤが路面をつかむ感触

軽トラは、

「ドライバー、車、道路がシンクロしてくようなフィーリング」

を感じさせてくれる。まるで車と会話しているようなリアルな運転体験は、クセになること間違いなし!

軽トラを学ぶ漫画(画像:しくみデザイン)

やばいポイント4「ストイックさ」

 軽トラの設計思想は、なんと

「レーシングカーとほとんど同じ」

なのだ。排気量や車両サイズ、重量に厳しい制約があるなかで、無駄な内装や装飾を一切排除したシンプルな造り。トラックのくせに

・高回転寄りにセッティングされたエンジン
・狭いパワーバンド(パワーが出る回転域)に合わせたクロス気味のギア比
・硬めの足回り

レギュレーションギリギリで戦うレーシングマシンのようなセッティングに、興奮せずにはいられない!

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント5「コスパ最強」

 軽トラはコスパ最強の車だ。“使えるヤツ”なので中古の車体価格だけは若干高めだが、消耗品やランニングコストはびっくりするほど安い。税金や高速料金も安いし、燃費も抜群。

「ハイオク入れてください」

なんてぜいたくもいわない。シンプルすぎて壊れるところも少ない。

 軽トラは、激安で存分に楽しめるのだ。ついでにいえば積載能力はハイエースにだって引けを取らない。自分より排気量の大きなバイクだって楽々積めてしまう。つまり

「輸送コスト」

も激安だ。

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント6「小さくても一人前」

 軽トラがあれば、どこへでも行ける。コンパクトで非力ではあっても

「車としての最低限の機能」

はすべて持っている。

 快適性がどうのこうの細かいことをいわなければ、バイパスだって高速だってへっちゃらだ。

 ちょっと窮屈だけど狭いおかげでエアコンはギンギンに効くし、窓を開けて風を感じてもいい。この頼もしい相棒と一緒なら、日本中どこへでもふたりで駆け抜けていける。

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

やばいポイント7「究極のデートカー」

 信じられないかもしれないが、軽トラックは

「究極のデートカー」

でもある。狭いキャビンゆえに、ふたりの距離は驚くほど近い。多くの女性は軽トラで迎えに行ったら怒り出すに違いないが、軽トラでもデートを楽しんでくれる相手ならば、

「あなたへの愛は揺るぎない」

と確信できる。一緒にいるだけで幸せを感じるふたりなら、軽トラから同じ景色を眺める時間は格別でかけがえのないものだ。

 いつしか時が流れて

「あの頃、よく軽トラでデートに行ったよね」

と懐かしく語り合えたら、なんとすてきなことだろう。まだ若くて未熟だったけれど、真っすぐに生きていたあの頃のふたり。軽トラとどこか重なる部分があるのではないだろうか。

軽トラックのある風景(画像:写真AC)

一生懸命に働く軽トラ

 小さくてシンプルながらも、一生懸命に働く軽トラ、「やばい!」ほどいとおしいと思わずにいられない。

 いかがだっただろうか。軽トラの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない。皆さんが感じる”やばさ”があったらぜひ聞かせてほしい。