鹿児島県さつま町に4月、地域クラブ「SAS−SYU〜薩州〜剣道クラブ」が発足した。人数が少なく、個々では大会の団体戦出場が難しい北薩2市1町の3中学校生計10人が在籍する。県中学校体育連盟(中体連)主催の大会出場が認められ、メンバーの意欲も高い。多人数での練習に熱が入る。

 同クラブは町内の宮之城中学校の男子剣道部を母体に、隣接自治体の中学校に参加を呼びかけた。現在は宮之城中7人、入来中2人、高尾野中1人が在籍する。

 活動拠点は、同町船木の宮之城武道館(厳翼館)。週5回の練習で、チーム力の強化を目指す。今後は性別や年齢を問わず、メンバーを増やしたいという。

 国が進める運動部活動の地域移行を見据え、町教育委員会から地域クラブとして認められた。町教委はこの1年、テストケースとして活動課題や支援策を検証する。県中体連の審査も経て、剣道分野では地域クラブとして初の主催大会の団体戦出場も許可された。

 高尾野中3年の松尾悠生さんは、長らく部員1人で活動してきた。「大勢の人数で競い合いながら練習できるのは刺激的」と新しい環境を喜ぶ。

 宮之城中男子剣道部は昨年度、県代表として全国大会の団体戦にも出た強豪校だったが、3年生引退で部員不足に陥り、以降の出場はかなわなかった。クラブのキャプテンを務める3年の清水昊さんは「メンバーは顔なじみで仲はいい。これまでの悔しさを糧に、各種大会で上位を狙いたい」と意気込む。