鹿児島県南さつま市坊津町泊で5日、子の成長や健康を願う伝統の「唐カラ船祭り」があった。未就学児21人が、車輪の付いた船形の郷土玩具を引き砂浜を駆け抜けた。

 唐カラ船(ガラガラ船)は坊津が中国と往来した頃の交易船をかたどった玩具。港町の坊津では生まれた男児らに新しい船を贈る風習が残る。祭りでは昨年から対象を女児にも拡大した。
 
 子どもたちは紙のかぶとをかぶり公民館を出発。カラカラと音を鳴らし約700メートル先の九玉神社まで練り歩いた。境内と浜で船引き競争し大声援を浴びた。

 曽祖母に雄姿を見せた北九州市の久保耀華ちゃん(3)、燿斗ちゃん(2)は「一生懸命頑張ったよ」。南さつま市消防本部の今給黎一材さん(37)は唐カラ船にちなみ名付けた次女希帆ちゃん(3)を見守り「幼い頃から親しんだ宝のような行事。娘が参加でき胸がいっぱい。元気に育って」と願った。