南の果ての廃校からお届けするラジオ−。鹿児島県南大隅町の有志が、宮田小学校跡から「すみっこキャスト」を配信している。インターネット上の音声メディア「ポッドキャスト」を活用。移住者や来訪者らをゲストに招き、地域や人の魅力を語ってもらい、町を元気にしようとしている。

 農業が盛んな町では、作業中にラジオを聴くこともあり、農家の池之迫博さん(46)らが「忙しいときでも耳は空いている。楽しんだり、情報を得たりしてほしい」と2023年春に始めた。

 ポッドキャストは、ラジオのように気軽に聴けるのが特徴。町には移住者や、農村研修などで訪れる人が多く、人柄を広く知ってもらう意味もあり、月に1回のペースで発信する。

 16日夜には福島県出身の移住者、中川夏帆さん(24)をゲストに招いた。5月下旬からニュージーランドに2カ月留学するため、意気込みなどを聞いた。中川さんの友人がアシスタントを務め、約30分間、軽快なトークを繰り広げた。

 中川さんは「いろいろな経験ができ、楽しいのが南大隅。英語で町のことを紹介できるようになりたい」と語った。池之迫さんは「今後は、ゲストのもとに出張して話を聞くのも良いかも」と話した。番組はインターネットで「Spotify(スポティファイ)」を開き、「すみっこキャスト」と検索すると聴くことができる。