今年は21日現在、台風がまだ一つも発生していない。鹿児島地方気象台によると、統計を開始した1951年以降、台風1号の発生が6番目に遅かったのは6月9日(84年)で、「現在のところ7番目の遅さ」。今年は太平洋高気圧の西への張り出しが平年より強く、熱帯低気圧が形成しにくい状況にあるという。

 気象台によると、3〜5月、太平洋西部の赤道域で台風のもとになる活発な積乱雲の発生が少なく、フィリピンの東では低気圧ができにくくなっている。いずれもエルニーニョ現象が春から夏にかけて衰退するときの特徴と一致しているという。

 台風の発生が最も遅かったのは98年の7月9日。気象台は「台風の発生が遅いことと、年間の発生数や日本への接近・上陸数とは関係がない」としている。