アメリカのNFL(National Football League)でプロダンサーとして活躍している秩父出身の筒江瑠奈さんが5月12日と6月2日、ダンススクール「スタジオFits」(秩父市大野原)でダンスのワークショップを行う。(秩父経済新聞)

 ダンスワークショップの告知イメージ

 アメリカのプロアメリカンフットボールリーグNFLは1920年に創立され、アメリカ国内に32のチームが所属する。中でも毎年2月に行われるNFL優勝決定戦「スーパーボウル」はアーティストによるステージを行うことでも知られている。

 筒江さんが所属するのは1960年からテキサス州ダラスで活動する「ダラスカウボーイズ」。2009年に発足した同チーム専属のエンターテインメントグループ「ダラスカウボーイズ リズムアンドブルー(通称「DCRB」)」のメンバーは15人で、筒江さんは日本人として初めて合格した。現在はNFLのシーズンオフのため、4月末から6月末にかけて実家のある秩父に滞在している。

 ダンスを始めたのは5歳ごろ。影森地域で活動していた「影森キッズ」に友人の母から誘われて始めたC-DANCEがきっかけ。「影森キッズには先生はおらず、集まってお母さんたちが教えてくれるようなチームだった。6歳からはスタジオFitsで講師の野口菜美さんに出会い、バレエ、ジャズ、チア、ヒップホップなどを学び、多い時には週4日、スタジオで練習していた」と振り返る。9歳からは野口さん指導の下、国内をはじめ、韓国や中国など海外の舞台も経験。2018年の平昌オリンピックではスタジオFitsのメンバーとして公式公演の舞台にも立った。

 短大在学中の2018(平成30)年から都内でダンススクールを運営する会社でアルバイトのダンスインストラクターとして子どもたちにチアやダンスを教え、その後コロナ禍の影響からオンライン授業の動画制作やSNSの発信を中心にソーシャルメディアマネジャーなどの仕事もした。都内でキャリアを積む過程でNFLの業界でダンサーをしていた方と出会い、筒江さん自身も「いつかアメリカでダンスを仕事にしたいと思っていたが、具体的にNFLという舞台に興味を持った」と話す。

 2020年、初めてDCRBのバーチャルオーディションに参加。200人を超える参加者の中からファイナリストに選ばれたが、コロナ禍だったためダラスでの現地でのオーディション参加を断念。2022年に同オーディションに再挑戦して合格した。試合前や試合中やNFL関連のイベントなどでチームを応援したり盛り上げたりするために踊ることに加え、チームのアパレルブランドのモデル、ダンススクールの講師なども務める。

 「いろいろな出会いが私自身を助けてくれている。野口先生や他のアーティスの方との出会いが私のダンスの道を切り開いてくれた。夢があったり、仕事に就いたりする中で、『好き』と思うことを軸に動けば道が開けるし、『好き』が連れて行ってくれると思う。私はダンス中毒なくらい、踊っていない時間でもユーチューブでダンスの動画を見るなどして、ダンスのことばかりしてきた。『好き』がなかったら、今の自分になれなかった」と話す。

 「秩父で行うワークショップでは、最近踊られているヒップホップスタイルを教える予定。海外のテイストなどを試したい人、秩父の人や、秩父へ観光と合わせて来る人など、子どもから大人までさまざまな人にダンスを習いに来てもらえたら。何が好きかわからない人も、『お試し』のつもりで参加してもらえたら」と呼びかける。

 「帰国中、秩父でいくつかステージにも立つ予定。4月半ばに秩父美術館のステージを終え、5月4日は秩父市役所駐車場で行われる『秩父グリーンフェスタ』、6月23日にはスタジオFitsの40周年記念発表会もある。見るだけでも、いい出会いになれば」とも。

 ワークショップは両日共に12時〜13時(両日参加も可能)。参加費は3,500円(要事前申し込み・要事前振り込み)。申込詳細はインスタグラムに掲示する。